表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
251/270

251話 魔王撤退後

「取りあえずここの塔を壊せばあの結界は解けるんだよね?」

「うん。でも魔王を逃したのは気がかり」

「大丈夫だって。どうせ手負いだったしカリンが居れば負けることはないよ」


 レヴィアタンとグリーディが姿を消した後、カリン達は魔王が守っていた塔の中を探し回っていた。

 魔神が力を蓄えているという神殿へと足を踏み入れるためには魔王たちが集めたヒルトン・ドゥ・グランミリタールという世界最高傑作の女帝の力をさらに強化した結界を解除する必要がある。

 それらの力を常に供給し続けているのがこの塔にある。

 果たしてカリン達は塔の頂上に人の体よりも大きな水晶を発見する。


「これは……力の塊?」

「魔人教団は能力強度を集めてた。多分それ」

「なるほどね~。さっきの魔王の力って訳か~」


 色々な力が混ざり合ったかのような水晶はどことなく嘆いているようにも見える。能力強度を魔王によって分離されたという事はその数だけ犠牲となった者がいるという事だ。

 それこそここドリューゲンにおける龍たちのように。


「それでこれって壊しちゃって大丈夫なのかな?」

「恐らくそれでは駄目であろうな。まずは浄化する必要があるだろう、でなければ力の暴走に巻き込まれて死ぬぞ」

「マジ? それで浄化ってどうすればいいの? 世界樹ちゃん」

「そうじゃな。我の守り人が意識を戻して居れば話は早いのだが」


 いつの間にか世界樹ちゃんと呼ばれることに何の違和感も持たなくなった世界樹の化身はそう言ってカリンに背負われているガウシアの方へと視線を移す。

 先程の戦闘で限界まで力を出し切ったため、意識を取り戻す気配はない。


「起こす?」

「それは無理だな。今は目を覚ますための力すら残っておらぬ。無理に起こせど十分な力は発揮できぬだろう」

「じゃあどうすれば」

「向こうの聖女とやらがこちらへ来るのを待つのが良いであろうな。どうせ暫し休憩でもしておればよかろう」

「そうだね~」


 世界樹の化身に従い、三人はリーンフィリアとクロノがこちらへ来るのを待つことに決める。カリンは塔の上から魔神のいる方角へと目を向ける。

 禍々しい力が神殿内部へと集約されていく様子はカリンの心に恐怖だけではなくどこか畏怖のような感情を植え付ける。それが世界を破壊に導く災厄であることを頭で理解しながらも。

 なぜそこまでして世界を破壊に導こうとしているのか。魂に刻まれたある種の宿命であるならばまだ分かるが、それよりもその大いなる力から伝わってくるのはエルザードという過酷な環境で育った彼女だからこそ分かる濃密な憎悪。

 魔神という超越した存在の根源をカリンは知りたくなったのである。


「あらら~もうそろそろ世界を破壊する力が溜まっちゃいそうだね」

「フィー」

「分かるよ~。あの憎悪の理由が知りたいんでしょ?」

「!? どうして分かったの?」

「フフフ、顔に出てたからだよ。ま、そうだよね。そもそもどうしてあんな化け物がこの世界に生まれたのか知りたいよね」


 そう言うとフィーデルはちらりと世界樹の化身へと目配せする。事情を知っているのか世界樹の化身は沈黙を保つ。


「魔神は最初は()()()()()だったんだよ」

「え!?」

「……」


 フィーデルの言葉にカリンだけではなく普段冷静なライカまでもが驚きに目を見開く。世界を滅ぼそうとするあの化け物がもとより人間の敵であったわけではなく、ましてや魔物や魔族ですらなかったことに驚いたのだろう。


「うんうん、いいねその反応。話しがいがあるよ」


 二人の反応を気分よさげに眺めると、フィーデルはこう続ける。


「……それも私が一番仲良かった、ね」

ご覧いただきありがとうございます!


もしよろしければブックマーク登録の方と後書きの下にあります☆☆☆☆☆から好きな評価で応援していただけると嬉しいです!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ