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223話 ドラゴンの用事

「まずは前を隠してもらえるか」


「そうか。人間は服とやらを着るのであったな。まあ服はないし焔でも纏っておこうか」


 そう言うと少女の体のドラゴンの周囲を赤い炎が覆っていき、身体を隠していく。取り敢えず見えなくなったことに安堵して俺はずらしていた視線を少女へと戻し、問いかける。


「それで特異点ってのは俺で合ってるのか?」


「間違いない。夢で会った者と雰囲気が似ておる」


「夢で会った?」


「ああ。魔神教団と名乗る者共がドリューゲンへと乗り込んできおった少し前、突如として我の意識がどこか違うところへと飛ばされたことがあった。何もなく、ただ浮かんでいた我の目の前に突如現れたのがお主と同じ気配の者であった。そして我はこう口にしたのだ『貴様も特異点か』と」


 その言葉を聞いた瞬間、俺の中ですべてが繋がったような感覚が芽生える。もしかして俺が学園祭の時に見たあの景色はこのドラゴンが見ていた夢の世界と同じなのではないかと。

 何故あの世界とドリューゲンに居る筈のドラゴンの意識とが混ざり合う結果になったのかは分からない。だがドラゴンが語っているものがまさに俺が見たものと同じなのだ。だからこそすんなりと理解が出来た。


「……それで俺が特異点だとして何の用で来たんだ?」


「先程も言った魔神教団。あ奴等の使う能力は我ら龍種ですら食い止めるのが困難なほどに強力なものであった。しかし特異点へ向かえば道が切り開けると我の同胞が教えてくれたのだ」


 その後に「我自身も特異点とやらの事はあまりよく知らないのだがな」と付け加える。


 だが何となく言いたいことは分かった。ドリューゲンへと来てドラゴンと共に魔神教団と戦ってほしいという事なのだろう。それならば俺の当初の目的と一致する。


「我と共にドリューゲンへと来て貰いたい」


「分かった」


 ドラゴンの申し出に俺は即答する。てっきり敵対するかと思っていたドラゴンが味方となって魔神教団と戦ってくれるのだ。俺にとってこれほど都合の良いことはない。


「そうか! 助かる! では今すぐにでも」


「いや少し待ってくれ」


 これほどすんなり行くと思わずリア様の下へと帰るつもりであったため、せめてドリューゲンに向かう前にリア様へと連絡をしておきたかったのだ。


 コミュニティカードを取り出し、リア様の連絡先へと接続する。


「……という事になりまして。今からドリューゲンへと向かう事になりました」


『一人で向かうの?』


「そうなりますね」


 近くにカリンやライカも居るし言ったら付いて来てくれるだろう。しかし、ドリューゲンはどんなことがあるか分からない。ましてや魔神教団によって既に支配されており、総戦力でこちらへと戦いを仕掛けてくることさえあるかもしれない。


 そんな場所へ二人を簡単に連れていくことはできない。俺一人で行くつもりであった。


「少しの外出をお許しください。必ずや戻ってまいりますので」


 正直、付き人の任を放り出してしまうのには抵抗がある。しかしそれと同じくらい魔神教団もといエルザード家を許せないという気持ちがある。ファーブルさんを奪った魔神の復活をもくろむ魔神教団、度重なるリア様への手出しをするエルザード、もはや俺の怒りは最高潮にまで達していた。


『絶対……絶対帰ってくるのよ』


「はい、必ずや」


 そこまで言うとリア様との通話を切る。


「終わったか?」


「ああ。用は済んだ」


 黒の執行者の姿を解きながらドラゴンへと告げる。もう思い残すことはない。


「ならば我の背に乗ると良い」


 元の姿へと戻ったドラゴンがそう言って背中を見せてくる。お言葉に甘えて俺がドラゴンの背中へ乗ろうとした時、背後から突然何者かの気配を感じ取る。


「面白そうなことしてるじゃん、クロノ」


 そうやって話しかけてくる声に俺は聞き覚えがあった。


「フィー。いつの間に!」


 後ろを振り返るとそこには何やら分厚い鎧を纏っているフィーの姿があるのであった。

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