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206話 学園祭二日目

 美少女コンテストの次の日、俺とリア様とカリンとで学園祭の出し物を回ることになった。大勢で回ると人数制限みたいなのもあるためガウシアとライカは別行動だ。学園祭初日は美少女コンテストが思ったよりも長かったせいであまり回れなかったからな。その代わりに良いものは見られたため満足したけど。


「最初どこから回る?」


「このパンフレットですと一年Bクラスがお化け屋敷をやってますね。能力を生かしたお化け屋敷なんだとか。それと三年Sクラス、セシル会長のクラスでは魔物退治体験とかやってますね。何でも仮想的に作り出した魔物を実際に討伐していき、ポイント獲得ごとに景品がもらえるらしいです」


「す、凄いことやってんね。流石は最高学年」


 俺もカリンと同意見だ。どうやって仮想的に魔物を作り出せるのか。まあ、一年Eクラスに立体記憶の能力の子もいたわけだし、その関連の能力者が居ても不思議ではないか。


「この資料を見た感じ、生徒会長の権力を存分に使って滅茶苦茶広い場所でやっているらしいしな」


「楽しそうね。久しぶりに会長にも会いたいし三年Sクラス行きましょ」


「畏まりました」


 そうして俺はパンフレットの地図に従って三年Sクラスへの道を歩いていく。


「ここですね。元々弓道部が使っていたらしいですけど、広すぎるという事で生徒会の管轄になった場所らしいです」


「へえ~。確かにこれだけ広かったら魔物討伐体験っていうのもできそうね」


「だね~。楽しみ~」


 重厚な扉の前に受付らしき場所があり、そこに人が並んでいるのが見える。俺達もそこへ並ぼうとすると、後ろから声がかかる。


「おっ、クロノ。それにリーンフィリアもカリンさんも」


 そう言って現れたのは良く知った顔であった。


「クリスか。お前もこれに参加するのか?」


「違うよ。私は生徒会の一員として学園祭の監査員をしているのさ。ほら」


 そう言って右腕の腕章を見せてくれる。


「そういえばあなたって生徒会だったわね」


「そうだったの!? 全然知らなかったよ」


 俺もすっかり忘れていたな。どちらかというと裏の顔の方がよく見るから。


「ふふふ、ということでパトロールをしているわけだよ」


「へえ、大変だな。ってことは学園祭のイベントには参加できないのか?」


「そうでもないよ。一応、生徒会の皆で役割を回しているからね。私にも自由時間はあるさ。まあ、あんな感じの厄介事を対処しないといけないのは面倒だけどね」


 クリスがそう言って指差した方から男の怒号が聞こえてくる。


「おい! 俺は三体も倒したんだぞ! なのにこの景品ってショボ過ぎるじゃねえか!」


「申し訳ありません。三体倒されたと言っても全て1ポイントの魔物でしたので3ポイントですと最低ランクの景品しか用意できませんので」


「はあ!? くそ、舐めたことを言いやがって! 俺様を誰だと思ってやがる!」


 そう声を荒らげて能力を体に纏い始める。どこかの貴族に招待でもされたのであろうか。


「あんな貴族が居るのはわが国の恥だな。私が王になったら排除していかなければ」


 ボソッと怖いことを呟きながらクリスがそちらの方へと歩いていく。


「すみません。それ以上暴れるようでしたら出ていってもらいますよ」


「ああ!? 誰だ貴様! 俺様は伯爵家の長男でここの卒業生だぞ!」


「だからどうしたのかな? 君なんて私の前じゃ無力だからね」


 そう言ってクリスから展開された封印の能力がその男を呑み込む。


「な、なんだこの力! あ、頭が!」


「ああ、あまり能力は使わない方が良いよ。それだけ君の体を蝕むからね」


「ぐああああああ!」


 そう叫ぶと男はその場で意識を失う。そして一言二言会場のスタッフに話しかけてからこちらへと戻ってくる。


「すまないね。少し用事が出来たから私は行くよ」


「あ、ああ。頑張ってくれ」


「うん」


 そう言うとクリスが離れていく。


「馬鹿な人もいるもんだね。伯爵家の息子なんだったら自分の国の王子様くらい顔を覚えておくもんだよ」


「覚えられないくらい馬鹿なのでしょうね」


 カリンもリア様も切れ味の鋭い毒を吐く。誰から見てもあの男は滑稽だから仕方ないけど。


「まあ、一旦忘れて私達は楽しみましょうか」


 そう言って俺達は魔物討伐体験の受付へと向かうのであった。


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