08 今後の行動を決めた、オマケ
馬車の中での出来事(3/3)
士也視点です。
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("⌒∇⌒")
「王女が、俺達を召喚させた理由はなにか思惑でもあったのかもしれないな……そのなにかはわからないけど。
うん、そうだな……決めた、フィガロさん?
この世界には国の騎士、兵士とは違う組織……一般の平民がなる様なギルド……組織って存在するかな?」
「ええ……ありますよ。
この世界に股をかけ、その世界中の国、各地に存在するが国に関係なく、また国に匹敵する程に集まった集団組織。
仲間意識の高く魔物を倒す者達や、町や村の解決出来ない困った依頼を受け解決する者、自身を鍛え世界を回り一攫千金を夢見た者を、かつては傭兵……現在は冒険者と呼び、冒険者をまとめた組織を冒険者ギルドと呼ばれています。
そして、貴方達をこの王都から逃し、離れた町に着いた後、この冒険者ギルドの一員として登録する予定です」
「やっぱりあるんですね?
冒険者ギルド。
その他に、国とは平等の関係を持つギルドってありますか?」
外を見ていた松井は少し目をきらめかせて、フィガロに質問をした。
「もちろんあります。
大きいところ……冒険者ギルドに匹敵するでのは、商業ギルド、運送ギルドですね。
あとは、それらに関係するギルド……服飾、素材、薬師、建築等、多岐にわたるギルドがあります。
……そういえば、ヤガシラ様。
さきほどはなにを決められたのでしょうか?」
「ああ……フィガロさんの話を聞いて、今後の行動を考えていたんですけど。
結論から……フィガロさん達と、この王都を出てから、途中から1人で王都に戻ろうと決めました。
だから」
「……え?
八頭くんは一緒に行かないの?」
松井は、俺の言葉に驚き、かぶせる様に尋ねる。
「……ああ。
さっきまでは悩んでいたが、こっちに来て、東方院を監視する必要もなくなったし?
それに全員で他国に行っても、面倒臭い事になりそうだからな。
こっちに残って、色々と調べてみるよ。
んで、とりあえず1人で自由に生きてみようかと思った」
「面倒臭い、か……私達が一緒だと邪魔になる?」
松井は傷ついた顔になる。
「正直、今のままならそうだな。
俺から見て、お前達は得意分野を分けすぎていると思う。
職業はベストだけど
例えば、物事の決断を出すのは松井が多い。
それじゃ駄目だ。
確かに松井は頭がまわるし、知識も豊富だ。
東方院、お前が決断しても、そのあと松井に確認とるよな?
松井だって間違える事はあるし、負担がかかる。
特に、ここは異世界だ……松井の知識が通用しない事もあるだろう。
場合によって、二手に別れて……今、馬車に乗っているメンバーに別れたら、そっちの3人は誰が決断を出すんだ?
そうなっても大丈夫な様に、全員が意見を出せる様になればいい。
……例えば、料理が出来るのは竹内、次に大雑把な料理しか出来ない東方院。
他は出来ないだろ?
ジョブに関してはバランスがとれているからいいとして、出来る限りはいろんな事を全員覚えた方がいいな。
誰かに依存するのは簡単だ。
長所も短所もあるだろうが、人任せはやめた方がいい。
それに……」
俺は、フィガロを見た。
フィガロは、俺の考えがわかっているらしく頷く。
「フィガロさん、謁見の間で見た、俺達の鑑定ってどこまでが誤魔化しなんです?」
「……実はジョブにおいてはヤガシラ様以外は、ジョブが下位にあたる職業を表示する様に、生命力などの能力にかんしては違いはありません」
「……俺以外ってどういう事です?」
「……クラモチ様のジョブ……スライム召喚士は特殊過ぎて改変出来なかったみたいで……」
フィガロがすまなそうに答えた。
「あと、ジョブに対してのスキルや、もともと所有しているスキルにかんしては表示されていません。
その為にディアス・マルチーノに気づかれたかもしれないのです」
「スキル、あるんですか?」
松井は、目を輝かせていた。
「ええ、トウホウイン様の場合ですと、職業は剣士と出てました。
その場合は必ずスキルは『剣術』と出るはずなんです」
「なるほど……フィガロさん、お願いが二つあります」
「……何でしょうか?」
俺は、頷くフィガロに、持っていたノートとボールペンを渡した。
「一つ目、この紙にフィガロさんが見た、本当の俺の鑑定を全部書いてほしいんです。
そして、二つ目は出来るなら、出来る限りに東方院達に魔法を……特に女子3人にそれぞれの魔法を教えていただきたい」
俺は頭を下げた。
「……頭を上げてください。
ヤガシラ様……もとより、私の命が尽きるまで……おそらく約半年から1年。
いたるところまで、貴方達をこの世界に呼び出した罪として、そのつもりでした。
それほどに、私の罪は重い……そう、私は思っています」
フィガロが微笑んだ、その笑顔はとても優しかった。
その後、フィガロの屋敷に着くまでの間、俺は思いつく限り、この世界の事を尋ねた。
この世界で使われている通貨の事。
この国の王や、王族にかかわる者達、貴族。
この世界に存在する国の名前と位置、その関係。
人間以外に存在する種族。
聞いて思った事は……思った以上に、この世界は、異常で、命の値段は安く、死は間近に感じるファンタジーで、俺達は心も身体も強くならなくてはならなかった。
ネーム:シナリ・ヤガシラ
ジョブ:スライム召喚士
レベル:1
生命力/12 魔命力/22
筋力 /13 敏捷力/13
知力 /10 器用 /11
固有スキル
剣術[投擲術・双剣術・刀術]
槍棍術
体術[軽動術・心眼術・気功術・体幹術]
格闘術[八頭古流格闘術]
忍術[隠密術・隠蔽術・暗器術・変装術・変声術・骨格操作・新旧忍道具技術]
観察術[予測・想像・看破・発見]
ジョブスキル
スライム召喚[スキル共有・思念通話]
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