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06 馬車の中で正体と考えをあかす、オマケ

本日、3話投稿します。


馬車の中での出来事(1/3)


士也視点。


ブクマ登録に、評価の星をつけていただきありがとうございます。

凄くうれしいです。

現在、12日18話まで登録しています。


その後は話を書くのになかなかまとまらず、時間がかかっていますが、エタる事ない様に頑張っていきたいです。




 予定通りのメンバーでそれぞれの馬車に乗り込み出発した。


 進行方向の奥に松井千里、向かいに東方院、となりにフィガロ、そして松井の横に俺と座っている。


 そして、3人は俺をじっと見つめている。


「……なにか?」

 見つめている理由はわかっているが、こう見つめてられたらな……とりあえずとぼけてみるか。


「しらばっくれるのは止せ。

 話を聞かせてくれるんだろ?」


「そうね。

 八頭くんがどういった人物か……凄く気になるわ」


「大丈夫、御者に話を聞かれる事はありません。

 さっき貴方に言われて馬車を調べた時、ついでに中の防音を魔法でかけておきました。

 あと、馬車を監視している者や、追跡者がいるかは、召喚魔法で呼び出した鳥を一羽、こちらを上空で見させています。

 気にせず話してください」

 東方院、松井に続き、フィガロまで聞きたいらしい、

 しかも、逃げ道を塞ぐ様にしてまで準備万端だ。


「……別に話したくない訳ではないんだが、そうだね。

 フィガロさんにもわかる言い方なら、俺の家……一族は代々、諜報員の一族なんだ。

 諜報員……正確には、大昔から続く忍びの一族だな。

 それな俺達が監視している対象は……東方院、お前の一族だ」


「なっ?

 俺ん家だって?

 なんで俺ん家が監視されなきゃならないんだ?」

 心外な、って感じで東方院は言っている……けど。


「お前こそ、惚けるつもりか?

 高校にあがる前に、父親と長男から家の事を聞かされただろ。

 ……神代の時代に作られし宝、その中でも刀剣を封印し陰から守る一族……すなわち、刀宝陰くん」

 バックからペンとノートを取り出し、刀宝陰とかいて見える様にした。


「……」

 東方院はなにも言えず、難しい顔をしている。

「……確かに言われた。

 だけど、実物は見せてもらっていない。

 そんなの信じられる訳ないだろう?」


「実物はある……が、見せられないに決まっている。

 長い歴史のなか、次男とか、三男の跡をつげない奴等が、それを持ち出して国の転覆や、世界大戦の敗国を覆そうと企んだからな。

 それからは、次男以降には見せない事になったんだ。

 それで俺が、東方院秋雨の監視として、高校からついている。

 ちなみに学校の生徒、教師や関係者、ならびに近所、道場の門下生等、関わる者全て調べさせてもらった。

 特にお前達幼なじみ5人は、だ。

 もちろん、男性は男性、女性には女性がついていた。

 で、あがってきた情報を元にお前達の思考や行動を考え、どういう人柄かを見極めていた。

 いわゆる、プロファイリングというやつだ。

 ……気色悪いというなよ?

 これも、国、または天皇からの依頼だ。

 文句があるなら、東方院家の信頼の無さに文句を言え」


「……ねえ、八頭くん?

 八頭くんが監視についたのは高校からなら、中学の時は誰かついていたのかな?」

 松井千里が、何かを考えながら尋ねてきた。

 この様子だと……。


「ああ、ついていた。

 お前達全員知っているヤツだよ」


「もしかして……だけど、鹿山武文かやま たけふみ……くんだったり?」

 自信がないのか、恐る恐ると尋ねてる。


「正解だ……よくわかったね」


「……八頭くんの考え方を真似てみた。

 私達全員が知っている人物で最初にあがったのが、鹿山くん。

 まず、通っていた中学からはだいたい半数が、私達の通うの高校に進学している。

 なのに、あれだけ顔が広かった鹿山くんの噂を、この1年以上聞いた事がない。

 つまり、他県か、望んだ所に進学したとみていい」


「それだけ?」


「ううん……鹿山くん、卒業の日に寂しそうに笑って『もう会うことないかな……元気で、じゃな!』って言ってた」


「そう……アイツ、そんな事を。

 そうだよ、本来、高校からは、アイツと2人でお前達を監視するはずだったんだ。

 でも、アイツ、お前達に近寄り過ぎた。

 だから外され、俺1人でする事になった。

 お前達の事、大好きだって言っていたよ。

 今は、本家……うちの隠れ里で再修行させられている」


「……そっか」


「東方院……アイツ、いいヤツだっただろ?」


「……ああ、楽しかったよ。

 毎日、教室で騒いでいて、誰もが笑ってた」


「そっか……2年にあがる前に、実家であった時、いろいろ聞かれたよ。

 アイツら元気かって……と、まあ、そういう事で俺が、お前らを監視して、情報を集めいたのはわかったな。

 次は、置いてきぼりになってるフィガロさんが聞きたい事……俺の考えを話そうか」

 しんみりした空気を変える様に、わざと俺は声をあげた。


『待って!

 その前に、一つだけ聞かせて!』

 トランシーバーの向こうから、吉川さなえが焦って聞いてきた。


「なにが聞きたい?」

 予想はつくが、とりあえず聞いてみるか。


『八頭!

 あんたが諜報員だってわかった。

 だから、前にシヤの事聞いた時、惚けたんでしょ?

 今なら、教えてくれるよね?

 シヤはどうしているの?』


「……」

 やっぱり、それか。

「あー、よく知ってる。

 シヤね……うん、死んだ」

 とりあえず本当の事を言う。


『……え?』


「お前達と一緒に……な」


『それ、どういう事?

 わかりやすく教えて、ねえ!』

 向こうが騒がしい。


「あー、後で話すから、今は黙って」

 てか、今の言った事でわかれよ!

 俺が、シヤだって……無理か、吉川にとってシヤは、いつもベッタリとついてまわる(俺じゃない、吉川が)程の親友だったからな。

 本当、面倒臭い。


『教えて、お願い!』


「だから、後だって……フィガロさんの屋敷で全部教えてやるから待て!

 いいな?」


『……わかった。

 絶っ対よ?』

 なんとなく、こっちの馬車に指をさしているのが想像出来る。


「はいはい……すみません、フィガロさん。

 ほったらかしにして」

 適当にあしらって返事し、苦笑しているフィガロに謝った。


 トランシーバーの向こうがうるさい。

 しばらくはボリュームを下げておこう。


「いえいえ……大体わかりました。

 貴方が国の抱えている影の者……諜報員という事は」


「それはよかった。

 じゃあ、なにから話しましょうか?」

 どう話そうか、と悩んでいると右肘辺りを何度か引っ張られる感があり、見ると松井千里が少し顔を赤らめながら見ている。


「どうかした?」


「私も質問していいかな?」

 フィガロと、俺を交互に見て尋ねる。


「いいですよ……なにが気になりました?」

 フィガロは笑顔で質問を尋ね返した。


「……えっと、私達って本当に死んでから、こちらに呼ばれたのですか?」


「ああ、なるほど……フィガロさん、ちょうどいいから、この質問を含めた俺の考えを順に言うのはどうです?」


「いいですね。

 お願いします」

 フィガロは頷いた。



面白い、続き読みたい、気になる、と思った方。

よろしければ、評価の星に光⭐️を灯してください。


よろしくお願いします。


次回は8時に投稿します。

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