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40 シヤ、会議に出席する

前半、ほとんどセリフ無し!


ブクマ登録、評価⭐️、誤字訂正報告、ありがとうございました。

嬉しいです。


特に、誤字訂正はこんなにもあったか~と反省しました。

また、あればどしどしください。

それだけしっかりと読んでいただいていると実感するので!

 シヤの一週間の休みもほどなく終わり、今後はリンダ侍女長が定めた通りに、週に1~2日の休暇を取るようになり、休暇の日には冒険者ギルドでミリア達と話したり、王都の町なかを散歩したりと休日を満喫していた。


 マリーシアには休暇になるたびに、グチグチとすねられ、休暇明けには少し要望が増えるが、シヤにとっては可愛いモノだ。


 ある日、生誕祭に向け日に日に仕事が増えていくマリーシアに、休憩の為に紅茶を淹れ差し出した時、目にはいった書類の間違いに気づき指摘してから、書類の手伝いをする事になった。

 マリーシアは、シヤが側で書類を片づける事で仕事も減り、シヤと一緒にいられ仕事する事を、一石二鳥と大喜びされ、生誕祭後も侍女として残ってほしい要望が膨れ上がり何度も勧誘された。


 それ以外は、それまでと変わらない日々を過ごす。




 問題にあがっていた、マルチーノ公爵邸の傭兵は日に日に増え続けていき、王都で見かける事も多くなり、町人と小競り合いは多々あったが、これといった問題も起こる事なく、また魔族カーマインが現れた形跡も気配もなく、騎士や兵士、冒険者ギルドマスターのオリバー子飼いの冒険者達は警戒の心労をためつつ不気味な日々を送り、国王陛下の生誕祭の期日が迫ってきた。


 あと5日となり、他国……南方のセカドリス聖国や、西方の砂漠にあるサーディン国の、王族や有力者が、そして、北のジェネレシェア大陸の第3王子が生誕祭に合わせ、ぞくぞくと訪れてくる。


 そしてマリーシアも来訪者の対応に迫られ、目が回りそうだ。

 普段はマリーシアの側に侍女が1人がついていたが、報告書や依頼書などの配達などにとらわれ現在、シヤを含め5人となっていた。


 シヤも例外ではなく、マリーシアの頼みで側を離れ、目的地……騎士団アルベルト総団長の執務室へと向かっていた。


 途中、ディアス・マルチーノの気配を感じ、シヤは隠密術で気配を消し、素早く上に飛び、天井にしがみつき隠れた。


 この三ヶ月、マリーシアについてまわる時も、単独で動いている時も、たまにディアスとバッティングする事があり、マリーシアの側にいる時は簡易の変装ミアに顔を変え、単独の時は今回の様に隠れていた。


 いつもの様にやり過ごせるはずが、ディアスは通り過ぎる途中に立ち止まり、まわりを見渡す。


「……気のせい、か?」

 ディアスは再び歩きだす。

 そして歩いている途中、首だけ振り返り下に降りようとするシヤと一瞬目があった。


「!」


 ニヤリと、ディアスは笑い、前を向きなおり歩いていった。


「……気づかれた?」

 ディアスに隠れたシヤが気づいたのは初めての事だった。


 下の降りたシヤは、かつて東の大森林でアルベルトに見つかった時に既視感デシャブを感じる。


「アイツが気づいて、声をかけてこないなんて……なんか変だな?」

 首をひねりつつ、とりあえず、やり過ごした事で安堵し、アルベルトの執務室に向かった。



「へえ……アレらしくないな?」

 アルベルトは、さきほどの出来事をシヤから聞き、ディアスの性格からはありえないと思った。


「ですよね?

 ……毎回、マリーシアについていて出会った時は、必ず私の事を聞いてくるほどですよ?

 それが今回、見つけて笑うだけっておかしいですよ。

 アイツなら一言くらい話しかけてきますって!」


「……まあ、そうだな」

 シヤは面倒臭いディアスを避けているくせに、こうして憤慨していると、駆け引きをしている男女の様で、アルベルトは苦笑する。

 そういうと更に憤慨するのが想像出来るから言わないが。


 ちょうどその時、部屋のドアからノックが聞こえ、アルベルトが返事をすると侍女長リンダが中に入ってきた。


「お待たせしました」

 リンダはシヤがすでにいる事に気づき、遅れた事に頭を下げた。


「いえいえ、こうして忙しい中わざわざ来ていただき、ありがとうございます。

 リンダ侍女長……さっそくですが、生誕祭当日の人事を振り分けを決めましょうか?」


「そうですね……ですが、まずは飲み物の準備を」

 長丁場になる話し合いので、テーブルの脇に飲み物の用意はされていたが、おそらく自分が来るまでは待っていたのであろうとわかり、リンダは紅茶を淹れようとした。


「リンダ侍女長、今日は私が」

 シヤはすぐさま立ちあがって、リンダを制した。


「……そう?

 では、久しぶりにシヤの淹れた紅茶を楽しませてもらいましょうか?」

 リンダは微笑んで椅子に座った。


 本来、侍女であるシヤが淹れるのは当たり前なのだが、今回シヤは冒険者ギルド代表としてこの場にいるので、リンダが紅茶を淹れようとしたのだが、シヤが気をつかい代わったのである。


 シヤはこの会議が終われば、明日侍女として最後の休暇となり、その時にギルドに立ち寄り……ギルドマスターとはいえ、オリバーは王城に入る事がドワーフゆえに、余程の事がないかぎり許されてない……ギルドマスターに内容と結果を話して生誕祭当日、王都を守る配置を決める事になっていた。


「そういえば……さきほど2人で難しい顔をしていたけど、なにかあったの?」

 リンダはふっと部屋に入った時の事を思いだし尋ねた。


「ああ……それはですね。

 実は……」

 アルベルトはシヤがこの部屋にくる前にあった話をリンダにする。



「まあ……シヤと魔道士長の話は、あの子……クレストから聞いていたけど……おかしな話ね?」

 話を聞いたリンダはコロコロと笑う。


 普段から魔道士団の横暴なゆえ、侍女配置には常にリンダも頭を悩ませていた。


 今回の会議も、騎士団総団長アルベルト、執事侍女の代表リンダ、冒険者ギルドから代表シヤ、そして魔道士団から魔道士長ディアスがくるはずだったがディアスは会議に出席する事を拒んだ。


 もし、ディアスが出席していたならシヤはミアに顔を変え対峙する予定だった。




『面白いかも』『続き読みたいかも』など思われましたら、ブクマ登録、評価⭐️の採点などをお願いします。


私の執筆速度が若干あがるかも?

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