表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

37/54

36 シヤ、色々と決着?

ブクマ登録、ありがとうございます。


ちょっと頑張ってみました。

次も頑張って2、3日で書き終えたいです。

1日でも早く……

(あれ?

 なんで、俺……空を見ているんだ?)

 オウルは、勝負の相手……シヤに向かい攻撃を仕掛けていたはずが、一瞬にて視界が変わり、大地に背をつけ寝転び呆けていた。


「どうした?

 もう、終わりかな?」

 シヤは寝転ぶオウルに声をかける。


「……はっ?」

 オウルは状況を思い出し、勢いよく身体を起こし膝立になった時、右足に軽い痛みを感じた。

「……なんだ?」

 勝負には支障がないと判断して、不思議に思いながらも立ち上がった。



「お、おい……今、なにが起こったんだ?」


「副団長、いきなり倒れたぞ」


「なにかの策……いや、あの表情、本人もわかっていないみたいだ?」


 まわりで観戦している騎士団が様々な意見を言いつつ、戸惑って騒いでいた。



「ア、アルベルト?

 今、なにがあって、なにが起こったのかしら?」

 マリーシアは、しっかりと見ていたはずなのに、気がつくとオウルは地面に倒れていた。


「私が答える前に、リセラは……状況把握しているか?」

 アルベルトは目を離さず、横に控えている団長の1人……リセラに問う。


「なんとなく、です……おそらく、シヤが右手に持つ鉄棍を、腕が見えないほど速く振ったと思われます。

 オウルの踏み込む右足が地面につく直前に、打ち払われて……足払いされた状態で、勢いよくオウルは反転し倒された」


「ふむ、それで?」


「オウルは右足に魔力を溜めて、瞬時にシヤに接近しようとしていたから、鉄棍で打ち払った際のダメージは、溜めた魔力で軽減されたのだと思います……ただ」


「ただ……どうした?」


「シヤの鉄棍の範囲外……3メートル近く離れてにいるオウルにどうやって当てたのかがわからなくて」


「……なるほどな。

 おしいところまでいっていたぞ。

 答えは、あの鉄棍だ。

 あれは魔法具で、当たる一瞬、倍の長さ3メートルくらいに伸び、振り抜いた時には元に戻った。

 恐ろしいのは、シヤの反射神経、握力、手首や腕の強さ、それとタイミングの取り方等、それらが、あの一瞬でやりきったところだな……普通なら、どれかが欠けても腕や肩を痛める事になるはずだが。

 マリーシア様、これが答えです」


「なんと……あの一瞬で、その様な事が?

 アルベルト、シヤは本当に強いのかしら?」


「強い、ですね。

 おそらく、現プレリューム王国内にいる者で最強かもしれません。

 武器だけなら私でも、なんとか戦えるかも……です。

 魔法も使われたら、私では絶対に勝てないでしょうね。

 物理の私と……あのフィガロとともに、2対1でシヤと戦い、上手く連係がとれれば、もしかしたら勝てるかも、といった感じでしょう」


「そ……それほど、なの?」

 マリーシアは息を飲んだ。




 オウルは立ち上がったが、さきほどの様にシヤに向かう事が出来なかった。


 シヤの実力は、アルベルトとリセラの色眼鏡ではなく、本当の事じゃないのかと疑いはじめ、ゆっくりと足をすり、間合いをつめていった。


「ん~?」

 シヤは、オウルの動きを見て1つの結論をとった。

「そういう事か……普段から鉄棍を使って魔物を討伐していたから気にしなかったけど、確かに剣より長い棍で戦っていたら、有利だよね?

 よし……これならどう?

 内容は、さっきの棍とあまり変わらないけど、一応近接格闘で相手してあげるよ」

 シヤは手にしていた棍を魔法具のブレスレットに戻し、代わりに腕まである手甲を取り出した。


 この手甲は大森林に籠り、レベル上げをしていた時に使っていた『幻魔の手甲ファントム・アームズ』だ。

 あの時は無数にある枝から枝へ移動をメインに使っていたが、ここはなにもない訓練場。

 別に攻撃防御に使用出来ないわけではなく、むしろ有効に使えるのはこちらの方だろう。

 魔力を込めれば5メートル先まで魔力で出来た手から肘までを飛ばして、掴んだり、殴ったり、掴んだまま幻の腕を戻せば、その先に引き戻し移動出来る。

 また、イメージで魔力の腕を何倍にも太くし、それに見合う腕力と防御力を備える事や、腕の数も増やし、魔力そのものの腕に属性を与える事も出来る万能魔法具だ。


 今回は手を飛ばす事は封じるつもりだ。

 スタイルは、ボクシングと柔術を合わせた形でいく。


「……っ!」

 オウルは、シヤが武器を変えた事で、様子を見ていたが、シヤがシャドーボクシングをして戦い方を変えたと理解し、再び馬鹿にされたと思い、攻撃を再開した。


 シヤは、振り降ろされる剣を避けながら目で追い、右半身ずらし避けきった瞬間、拳を繰り出す。


 まずは、オウルの顔に左ジャブ二発。

 ヒット。


 怯んだオウルの左こめかみに右フック。

 ヒット。


 オウルは顔を歪めながら、数歩よろめき、足を踏ん張り、剣を左に振り抜いた。


 が、シヤは上半身を沈めかわす、ダックで避け、身体を起こし押し上げながら、左足を踏みしめ、右ストレート。

 オウルの顔面に突き刺さり、オウルは数メートル吹っ飛ぶ。


 地面に倒れたオウルは、剣を地面に刺し支えにして、膝を震わしながら立ち上がる。


 シヤは油断なくゆっくりと近寄る。


 オウルは、最後の抵抗で剣を離し、体格を利用したタックルに出る。

 シヤを押し倒しマウントをとるつもりだった。


 シヤは、オウルが伸ばしてくる両腕の手首を掴み、両腕を交差しながら、オウルの懐に背中を合わせ入り、背負い投げで大地に叩きつけた。


 オウルは両腕を掴まれたままなので、受け身が取れず、シヤは柔道の様に、オウルが大地につく前に引き上げてダメージを軽減させる事なく、すべての威力はオウルに叩き込まれ、灰の空気が吐き出され、意識を失くした。


 シヤはブレスレットから細く長いロープを取り出し、オウルの両腕を背後にもっていき、両手首にしっかり巻きつけ、あまりの先を首に何重かまき、更にあまりを右足首に巻いた。

 オウルは、ロープで海老ぞりの状態になった。


「よし、終了」

 シヤは両手をパンパンと払い、マリーシア達のもとに向かった。


「別にロープで縛る必要はないんじゃないか?」

 アルベルトは呆れた顔で、シヤに問う。


「まあ、そうですね」

 シヤは侍女モードに戻っている。

「ちょっとした、お仕置きです。

 目を覚ましたら、首が絞まる様にしました。

 あの方の言い分が気にいらなかったので」


「そ、そうか?」

 アルベルト達は、ちょっと引いた状態になった。


「ええ、それとマリーシア様?」

 シヤは、マリーシアの方を向く。


「な、なにかしら?」

 マリーシアも少し怯えながら問う。


「……このアルベルトが、なにか色々と私の事をおっしゃっておられましたが……確かに、私はマリーシア様に色々と話していない事も、騙している事もあります。

 が……私は、貴女を傷つけるつもりはありません。

 これだけは……信じていただきたいと思っております。

 実際、すべてを知ればマリーシア様は傷つくでしょうから。

 だから、国王陛下の生誕祭が終わるまで我慢するか、マリーシア様が無理だと思うならは、リンダ侍女長に言って、配属交換をしてもらうのがいいかと」


「…………しない」

 マリーシアはうつむき呟く。


「え?」


「配属交換なんてしないと言っているのよ!

 私が傷つく?

 もし、そうなるのなら、私がシヤにそうなる事をしていて、それでもシヤは私を傷つけたくないって思っているなら、私はシヤをそばにいてほしい……そう思いますわ」


「……わかりました。

 その日が来ないまま、生誕祭が終わる事を願います。

 私も、シヤとして活動し続けたいので、途中で逃げ出したりはしたくありません。

 本音を言えば、面倒臭いので」

 シヤは優しくマリーシアに微笑んだ。


 覚悟を決めたマリーシアもシヤに微笑んだ。



私は出来るだけ、作中のバトルは簡潔で、直ぐに決着がつくよう書いています。

長くても1話で……かな?


だから、バトル物足りないと思われる方もいるかもしれませんが、こういう感じの主人公チートもありだと思ってほしいと思ってます。



『こういう話も面白い』『この後、気になる』『もっと早く書いて、頑張れ』と思い、評価してもらえたら、ブクマ登録、評価⭐️をいれていただけたら嬉しいです。


よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] シヤが強い [一言] ガールズラブのようでノーマル。 色々と罪作りなシヤ。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ