27 シヤ、冒険者ギルドでいろいろ尋ねられる
ブクマ登録ありがとうございます。
頑張ってこの話を含め3話書きました。
もうちょっと、ストックが出来ました。
今後とも、よろしくお願いします。
「……はぁ~~~~、思ったより大きいね?」
ケント達に案内してもらって、冒険者ギルドについたシヤは、その圧倒的な大きさの建物を見上げ、ため息をはいた。
冒険者ギルドは三階建ての建物で、建物のみなら高校の体育館なみの大きさで、中に入るとさらに広く、一階の見えただけで待たせない為のいくつかある受付に、待ち合いの酒場、依頼書が貼られたボード、二階にあがる階段と地下に降りる階段、あとは、いくつか扉がある。
「じゃあ、僕達は依頼結果の報告をしてくるよ。
シヤさんは、魔物討伐で得た素材カードとか売りにいくんだろ?
だったら、あっちの受付2つがそうだよ」
ケントが指さし、見れば2、3人ずつ冒険者がならんでいた場所が、そうらしい。
「あっち?
……ありがとう、ケント」
じゃ、って手を振りシヤはそちらに向かう。
冒険者のシステムは大まかに2つ。
商業ギルドなどの各ギルドからの依頼や、起業や個人からの依頼、ギルドのない近隣の村や町からの依頼、冒険者ギルドのある大きな町との連携依頼、といった様々な依頼がボードに貼られ、自分達の目的にあった依頼内容を受ける。
(もちろん内容は、冒険者ギルド内で契約している調査専門の者が、不正がないかなどの調査を行っている)
依頼にはランクがあり、そのランクにあったレベル……冒険者の実力を表すランクを受付をしている担当者が照らしあわせ、確認し、受理する。
内容にそって終わせれば、依頼者から終了確認の印をもらい、または、討伐依頼の魔物を証明する部位を持って、受付に報告、認められれば依頼料をもらえる。
また、個人のランクが低くても、魔素の影響から誕生した魔物を倒して、魔石や素材カードを解体して売り、お金を得るという討伐をメインにしている冒険者もいる。
もし、勝てないと判断した場合、魔物とは戦わず、会ったら逃げる事をギルドは推奨、代わりに魔物の情報のを提示する事になる。
また、討伐には様々なルールがあり、冒険者同士が揉めた場合は、冒険者同士で話し合い解決する。
もし決着出来なかった場合はギルドに持ち越しされる。
相談解決料は、結構割高ではあるが……。
(例……討伐中の横入り、倒せない魔物の押しつけ、引き連れ、魔石などの横取りなどがある)
今回は、前者がケント達で、後者はシヤにあたる。
シヤは、順番にならび待ち、自分の番を待った。
その間も、夜通しで飲んでいる冒険者達や、同じ様にならんでいる冒険者達に見られていた。
受付嬢ミリア・ノースヴェルは、今年に受付嬢となって、見習いが担当する事になっている。
討伐された魔物の魔石や素材カードの鑑定して、冒険者に支払われる討伐料を渡す仕事を繰り返し行われる。
「はぁ~」
「なにをため息はいているの?
ほら、次の人、待ってるじゃない。
しっかりしなさい」
ちょうど資料の束を持って移動していた先輩受付嬢に、ため息を聞かれミリアは注意された。
「だって~」
「だって、じゃないでしょ?
……そういう気持ちになるのわかるけど、頑張りない。
はい、次の方、どうぞ」
ぶうたれるミリアを励まし、ミリアの代わりに順番を待つ冒険者を呼んで、資料を置きに離れた。
「あ、先輩、勝手に呼ばないでくださいよ~。
もう……はい、受けたまわります~、??」
先輩に軽く文句を言いつつ、カウンターを挟んだ冒険者を見て、ミリアは息をのむ。
(うわ~可愛い~、なんて、可愛いの?
この子、本当に冒険者なの?)
「?
あ、あの……ここ、討伐の素材の売却が出来るって聞いたんだけど……間違いました?」
「はっ……え、いえ、間違ってないです。
あってます。
素材の売却ですか、どうぞ、承りますっ」
こちらを振り返り、冒険者……シヤを見て固まったミリアは、シヤの声を聞いて再活動した。
「じゃあ、これを」
シヤはいらない素材カードの束をカウンターに置き差し出す。
「あ、売却、依頼報告の際には、冒険者カードの提示もお願いします……って、なにこれ?
これ、全部、素材カード?
え、貴女がこれだけ、取って来たの?」
「え?」
ミリアに言われて冒険者カードを取り出そうとしていると、どこかミリアが慌てて騒ぎ驚いている。
「……今度はなんなの?」
さきほどの先輩が資料を片付けて、今度は騒いでいるミリアを燻がり尋ねた。
「先輩……これ」
ミリアはカウンターに置かれたカードの束を指さした。
「……これは?」
カードの束を見て、カウンターの向こうにいるシヤを見て、ある程度ミリアが慌てている理由を理解して頷き
「なるほど……貴女、冒険者カードを提示してもらえるかしら?」
そうシヤに尋ねた。
「あ、はい、これ」
素材カードの束の横に、おずおずと冒険者カードを置くシヤ。
「ありがとうございます。
では、確認させていただきます」
先輩は、シヤのカードを取り見る。
「これは……えっとシヤさん、ですね。
少々、確認したい事がありますのですが、お時間をいただいてもよろしいでしょうか?」
「え……はい?
なにか不味い事でもありましたか?」
「いえ……そういう事ではなく、簡単に言えば、冒険者カードに示されている貴女のランクが、貴女の実力に見合っていないのでは?
という事で、いろいろと尋ねたいと思いまして」
「……なるほど?
大丈夫ですけど」
いまいちわかっていないのか、キョトンと首を傾げている姿が可愛いらしいな、とミリアは思う。
「ありがとうございます。
ミリア、貴女……こういう時の事は、まだ経験していないでしょ?
ちょうどいいから、貴女も立ち合いなさい。
誰か、代わりにここを受け持ってくれないかしら?」
「はい、では、私が出ます」
先輩がそういうと、奥から1人出てきて受付を変わった。
「ありがとう。
じゃあ、ミリア……それとシヤさん。
こちらに来てください」
先輩は、ミリアとシヤを引き連れ、近くの別室に連れ込んだ。
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