21 魔道士団の追跡
ディアス視点。
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頑張って続きを書いてますが、もうすぐストックがなくなり、投稿の時間があくと思います。
それでも、読み続けていただけたらと思います。
「5日目にして、やっとここを見つけられたか。
それもこれも足手まといが、のらりくらりと……クソッ」
ディアス・マルチーノ率いる王国魔道士団と、国王の王命で、ディアスに従っている王国騎士団は、5日前にして、王都のフィガロ邸の庭から繋がる転移魔方陣のあった跡地にたどり着いた。
初日。
フィガロ邸から王都の門を出た時には、完全な夜だった。
そこから、大森林の道に入れば、荷馬車2台は余裕で通れる道であっても、更に闇が増す。
視界も狭まれば、樹木を伐採し、地面を平らげ、草がはえにくくする為に土は固められていても、どこか不安定だ。
そして。
「……ディアス様、よろしいでしょうか?」
それなりの実力と経歴を見込まれ、ディアスの母……マルチーノ公爵婦人に、ディアスの面倒を見る様にと頼まれている歳かさの魔道士、ボルドーが、ディアスにささやく様に進言した。
「今日のところは、いったん王都に戻り、明日、日が登る早朝から探索を行った方がよろしいかと」
「なぜだ?
一刻でも早く、フィガロのヤツを捕らえなくちゃならんのだ。
そんな悠長な事を言ってられるか!」
「しかし、この暗き森林の中進むのはどうかと……それに今、暗き森林は群れで現れる狼系の魔物や、行動を起こすまで気配の読めない魔物との接触率も高く、この暗い森林の中では、夜目の効く魔物の方が戦闘に有利で退治するにも時間がかかります」
「……ならば、魔物の対処は騎士団の奴等に任せ、我等、魔道士団は先に進めばよかろう?」
「いえ、それも得策ではないかと」
「なぜだ?」
「確かに騎士団に任せれば、我等は先に進めましょう。
が、騎士団に怪我人が出た場合、何人かは王都に戻り、更に、先に向かった我等にも新たな魔物が出るやもしれません。
探索も人数が減れば手がかりを見逃す確率が高くなります」
「…………わかった」
ディアスは振り返り、後方につく魔道士団、騎士団へと叫ぶ。
「この暗き森林の中、探索は困難となると見た。
今日は王都に戻り、明日、日が登る早朝、街の門前にて集合、出発する。
王都に戻り次第解散!
騎士団も、明日以降は戻る事なく探索をする事になるので、その分の夜営の準備も行っておけ……では、戻るぞ!」
こうして、この日の探索は諦め王都に戻った。
大森林を抜けた出口は、5つ。
西の出口は王都へ。
南の出口は、隣国セカドリスにつながる、ギアンという工業都市が。
南東には鉱山があり、そこで取れた鉱石はギアンと取引され届けられる。
山の麓には鉱石を採掘する為、集まった人々が町を作り、かなりの人口となり、各種のギルドも建ち構えている。
北東には、広い浜辺があり気温が高い季節になれば、人が集まり賑わう。
最後に北の出口を出て、しばらく道沿いを行けば港町がある。
港町から海を1ヶ月も船で航ば、ジェネレシェア大陸が姿を現す。
2日目から4日目。
森林の道を通り、至る場所に抜ける為の分かれ道、小癪にもフィガロの奴、簡単に追いつけない様に、本命の転移の魔方陣を壊す際に、同時に壊れる様、よく似た魔方陣をいくつか描いていたらしく、なにか手がかりがないかと調べなくてはならない……そして5日目にして、対となる転移魔方陣の場所にたどり着いた。
ここから道に戻り次に向かえる町は、北か、北東か……もし、北だとしても、ジェネレシェアに航るには審査も時間がかかるうえに、向かう船もそうあるわけではない。
だが、大陸に航る船に乗られた時点で終わりだ。
だから、もうこれ以上、この一帯を調べる意味はない。
北と北東の二手に分かれ、追跡を急げば、まだ捕らえれるかもしれない。
「……よし、ここはーッ?」
ディアスはそう判断し、魔方陣の調査は打ち切りにし、出発する事を言おうとした時。
「おー?
広いところに出たー、……って、あれ」
森林の木々を抜け出てきた冒険者らしき少女が現れ、少女は開けた空き地に大勢いる鎧を着た騎士達と、ローブを着た魔道士達を見て、何事かと首を傾げている。
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