02 死んで召喚された、5人とオマケ
本日、二話目です。
0時に、一話目を投稿しています。
出だし途中で、松井千里の視点になります。
はずだった。
次に気づいた時、俺達は、見知らぬ場所で、変な格好……白い全身を隠す衣装(顔はフードをしていてわからない)……をしている魔法使いみたいな集団が、俺達をある程度の距離で囲んでいる。
そして、足元の床には魔方陣の様な模様が、石畳を削り、書かれていて光っていた。
「……もしかして……これって……異世界、召喚?」
声からして……松井か?
そう呟く声を聞いた。
私、松井千里は本を読むのが大好きだ。
ジャンルは問わない。
洋書も辞典をひきながら読むのも楽しいし、専門書も読めば、漫画にラノベも読む。
だからといって、スマホで読まないって事はない。
自分でも活字中毒なのはわかっている。
だって……知らない知識をしったり、わかったり、経験しない、出来ない情報を得たり、物語を想像するなんて面白いじゃない。
と、さっきまで思ってました。
まさか、異世界転移するなんて、思わないじゃない。
しかも、幼なじみ5人におまけの1人……ある意味、テンプレね!
周りにいる人……人?
とりあえず、言葉は通じるのかしら?
そうだ……あれ、試してみよう!
私は小さく「ステータス、オープン」と呟いた。
結果……出なかった。
恥ずかしい。
「貴方達……言葉はわかりますか?」
周りにいた1人が、フードを外しながら問いかけてきた。
緑色の髪に、赤い目。
染めた人工の髪色ではなく、正真正銘の緑色、艶もあり、天使の輪も高い天井から照らしている照明らしき光で出来ている。
「……わかります。
ここは、どこですか?
自分達は、どうしてここに?
貴方達は、誰ですか?
……自分達は、貴方がたにこの世界に呼ばれたのですか?」
おお……流石、秋雨!
しっかり、ここが元にいた世界……日本じゃないとわかっているみたいね。
私も、そういうラノベや漫画を貸したかいがあるわね!
……じゃ、なくて。
どうでるかな、この人達?
「……お答えします。
どうやら、お気づきの様ですが……ここは、貴方達がいた世界ではありません。
ここはプレリューム王国の王城にある召喚部屋にございます。
私達は、この王国の国王様の命により、我ら王国魔道士は貴方達をこの世界に召喚しました。
……理由は、これから着いてきてもらう謁見の間にて、国王様から話を聞いていただきます」
答えた魔道士は頭を下げた。
「話はわかりましたが……私からも質問。
……私達は、元の世界に戻れるのでしょうか?」
私は責める口調で尋ねた。
「……それは……申し訳ございません。
元の世界に戻す術は、ございません。
それと……貴方達は、元の世界で、何からの理由でお亡くなりになっているはずです」
頭を下げたまま魔道士は答えた。
「それって、どういう……」
私達は思い出す……ここに来る直前の事を。
「……私、達……トラックに、ひかれて、死んだ?」
「どの様な死因かは存じませんが、そういう事なのでしょう」
魔道士は頭を上げた。
「とりあえずは、一度、謁見の間にて、国王様とのご対面……どうして?
どうして、6人もいるのですか?」
その言葉で、幼なじみ5人は、1人の男子を見た。
彼は、全員から見られ苦笑していた。
そうだった。
信号待ちをしていた私達に、トラックが向かってきていた事に、気づいた彼が叫んで助けようとしたんだった。
「……ふん、馬鹿なヤツだ。
どうやら、俺達を助けようとして巻き込まれたみたいだが、ここにいるって事は、どうやら一緒に死んでしまったようだな?」
秋雨は、彼に馬鹿にした発言をして、鼻で笑った。
おや、秋雨らしくない。
秋雨と彼に何かあったのかな?
「……おい、秋雨、
確か、八頭……だったか?
彼は、俺達を助けようとして巻き込まれたんだ。
さすがに、その言い方はないんじゃないか?」
願も、秋雨の過ぎる言葉に、秋雨を注意した。
「……ふんっ」
秋雨は顔をしかめて、そっぽをむいた。
「はぁ……すまない。
八頭、こんな事になってしまって」
呆れた願は、秋雨の代わりに頭を下げた。
「いや、事実、助けられず、死んでしまったんだ。
こちらこそ、ごめんな?」
願の頭を上げさせ、申し訳なさそうに、彼……八頭くんは反対に謝った。
さなえは、そんなやりとりを見てつまらなそうにしているのに対し、実和は、八頭くんと秋雨を交互に見ておろおろしている。
そういえば、実和は同じクラスだっけ?
何か知っているのかな?
「実和」
「とりあえず、理由はわかりました。
では、彼も含め、皆様、謁見の間にお連れしますので、着いてきてください」
実和に問おうとした私を遮り、魔道士は謁見の間へと案内する為、歩き出した。
……まあ、あとで聞けばいいか。
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次回は、16時に投稿予定。