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14 実戦と、スンの能力

本日、2話目の掲載です。


シヤ視点。


ブクマ登録、評価の⭐️を入れていただきありがとうございます。

("⌒∇⌒")



 狼の数は10体。

 1人頭、3~4匹。

 この世界、初の実戦だ。

 それに守るべき荷馬車が2台、私はこういう荒事に慣れているが、慎重にいこう。


 私は棍を構え、狼を見据える。


 さきほどまで、私達を警戒していた狼達は焦れて、飛びかかって来た。


 私は冷静に、時間差でかかってくる狼に、棍で叩きつける。

 この棍も、執事でありながら、錬金術士でもあるレイドに頼み、普通の棍だったのを魔法具にしてもらった。

 棍は、長さが2倍の3メートルに伸び、攻撃幅を増やしている。

 また、両先端の石鎚には氷属性の狼……銀狼の牙が合成されていた。


 さきの攻撃で弱っている狼に、伸びた棍の振る遠心力で威力増加した打撃と、凍結する刺突で、4匹の狼にとどめをさした。


 見れば、東方院達もなんとか倒せたみたいだ。



「では、倒した魔物に手を当て、『解体』と言ってみてください」

 魔物を倒したのを見届け、フィガロが馬車を降り、私に指示した。


「「「『解体』」」」

 私達は、それぞれ近くの倒した魔物の身体に手を当て、言われた通り唱えた。


 すると、触れている魔物が輝き、赤黒い石……魔石と、数枚のカードに変わった。


 私は、東方院とガンの方を見ると、同じ様に魔石とカードに変わっており……カードの枚数は違うようだが……彼らも驚いていた。


 カードを見ると、向こうの世界で流行ったカードゲームの様に表示され、名前、魔物の絵、内容が描かれていた。


 私が手にしているカードは3枚。

 名前は、灰狼。

 絵は、今にも襲って来そうな灰色の狼が描かれている。

 内容は、素材(毛皮:大)、能力(咆哮)、能力(刃爪)。

 他にも、素材や、能力以外に、解体した結果や魔物によっては魔法や、技術などがあるそうだ。


 実際、東方院は、技術(暗視)のカードがあった。


「この世界の人族、魔族は、誰もが『解体』という能力をもって、念じるなり、唱えるなりすると魔石と、カードになります。

 これを冒険者ギルドに持っていけば相場にあった金額が手に入ります。

 また、レイドの様な錬金術士や、鍛冶士などの生産職を持つ者にとっては、合成や、付与に使う、まさに素材となります。

 では、残りの解体を行ってください」

 私達の手元にある魔石と、カードを見て、フィガロは指示する。


『あるじ……あるじ……その、おおかみ……ほしい』

 言われた通りに、解体をしようとした時、荷馬車から、降りてきたスンが念話で話しかけてきた。


「え、スン、狼欲しいの?」


「どうしたのです?」

 フィガロが尋ねてきた。


「えーと、何故かスンが狼を欲しがっていて……あげてもいいですか?」


「狼を?

 そうですね……シヤさんがよろしければ。

 それに、歴史書には、鑑定出来る者がいて、名前を確認し書かれていますが、レベルの違いか、エボリューションスライムの名前しかわかっておらず、生態などなにも理解出来ていないのです。

 スンが、狼を食べ、どの様な結果になるか、私も気になりますね」

 私と、スンを交互に見て、思いを告げる。


「そういう事なら、私も気になりますね。

 よっし、スン。

 この3匹、食べちゃって!」


『ありがと……あるじ』

 ぼよん、と一跳ね、スンは包む様に広がり、1匹ずつ、狼を消化しながら食べていった。



『あるじ……これ』

 3匹とも食べたスンは、スンの体内から一冊の本を取り出し、私に差し出した。


「本?」

 私は本を受け取り、全体を見て、最後に表紙を見た。

「エボリューションスライムの魔物鑑定録?」


「鑑定録?

 シヤさん、それはどういった物なんです?」

 私が読み呟いた言葉に、フィガロは食いつき興味を示し尋ねてきた。


「えーと、ちょっと待ってください……『これは、エボリューションスライムが、魔物を食べた事により、食べた魔物のステータス、スキル、魔石以外の素材等の記録した書物です。

 エボリューションスライムは食べる事で、レベルをあげ、食べた魔物のスキルを覚え、強くなっていきます。

 同種の魔物を食べた場合も、経験値を得るので気にせず、どんどんと食べさせて、成長させてください。

 素材は、スライムの体内の核……魔石に溜まっていくので、必要な場合、いつでも取り出し可能です。

 これからも、主である召喚者と、共にある事を』と書かれてます。

 あとは、今食べた狼を鑑定した内容が書かれて、続きは……白紙かな?」

 表紙をめくり、最初に書かれている内容を読み、ページを進め、最後はスンのステータス鑑定記録が載っていた。


 ネーム:スン

 種族 :エボリューションスライム

 レベル:2

 生命力/15   魔命力/13

 筋力 /8    敏捷力/5

 知力 /7    器用 /10


 マスター共有スキル

 剣術[投擲術・双剣術・刀術]

 槍棍術

 体術[軽動術・心眼術・気功術・体幹術]

 格闘術[八頭古流格闘術]

 忍術[隠密術・隠蔽術・暗器術・変装術・変声術・骨格操作・新旧忍道具技術]

 観察術[予測・想像・看破・発見]

 魔力操作[身体強化・五感強化・魔力集中・武具魔装]

 鑑定魔法


 種族スキル

 思念通話

 核魔石素材貯蔵収納スライムボックス[1種族2素材]

 魔物鑑定録[現在1匹]


 吸収スキル

 暗視・雄叫び・刃爪・牙襲


 ……どうやら、私のスライム召喚にあるスキル共有は、まるまる私のスキルを使えるらしい。

 反対に、私もスンが覚えた吸収スキルを使える様になるみたいだ。


 これって、スンが魔物を食べ、魔物のスキルを覚えたら覚えたぶんだけ、共有する私も強くなるって事だよね?


 思わぬところでチート入りました。


 いや、もちろん種族的に使えないスキルもあるだろうけど、とんでもない事だよ?


 核魔石素材貯蔵収納も食べたぶんだけ貯蔵出来て、好きな時に取り出せる……ただ、魔物の魔石だけは消化し、スンのレベルをあげるから残らないみたいだけど。


 まだまだ、明らかになっていない事もあるみたいだし楽しみだけど。


 とりあえず、スライム召喚を馬鹿にした王女様達……ざまぁ!


面白い、続き読みたい、気になる、と思った方。

よろしければ、評価の星に光⭐️を灯してください。


よろしくお願いします。

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[一言] シヤの内面の一人称が俺から私になってる。
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