命日〜青空に溶けたシャボン玉〜
淡い期待が、シャボン玉のようにパチンと弾けた。生きとし生けるものに、精一杯の愛をそそぐから。
今を生きてほしいんだ。
渦巻いた感情が浄化されてゆくような青空に、君の淡い期待が連なってゆく。
薄い膜同士が触れ合った瞬間、境界線が溶け合うように繋がって弾けた。散りゆく光の粒は、虹色の花びらのように宙を舞う。
光の粒は、空中に囁きを遺して、空へと還っていく。その光は、君の眼を刺して、視界を滲ませる。
永遠に止まらない涙を流しながら、君は青空に向かって叫んだんだ。
君の声は、小さな紙飛行機のように懸命に空へと飛び立った。
大空には、涙の跡のような飛行機雲が流れていた。
君の耳もとには、遠き日の温かな声が微かに揺れていた。
その声を両手のひらの中にそっと包み込んで、静かにまぶたを閉じた。
閉じたまぶたからは、一筋の飛行機雲——。
青空と共鳴して、君は空を駆けていく。
そして君は、永遠を願った。