2話
2018/03/19 (1:43)、2018/12/01 (9:17)、2019/03/16 (10:23:14)、2019/03/16 (10:33:37)
かなり短いです。
暖かい陽射し
頬を撫でる柔らかな風____
気が付くと俺はベッドの上に居た。
「あうー?」
うん、おかしいよね
なんで赤ちゃんになってるの!?
自分の手を見てみると赤ちゃんの小さな手。
視界がぼやけていてしっかり見ることが出来ないが間違いなく赤ちゃんの手だ。
目が見えにくいのは恐らく今の自分が生まれて間もない赤ちゃんで目が未成熟だからだと思う。
次に手足の確認だ。
手足を動かしたり手を握ったり開いたりは出来るが指がほとんど動かない。
足に至っては握ることすら出来ないようだ。
言葉はどうだろう。
「あうあうあー(こんにちは)」
「あうあうあうあー(おはようございます)」
不便過ぎる……
いまの喃語!?
喃語でどうやって喋れと?
そうやって自分の状態を確かめていると誰かが様子を見にやってきた。
「おはよ、フィル。起きてたのね」
そう話しかけてきた女性は俺を抱き抱え ほっぺたを軽く突ついたりしてきた。
(なんだろう、この落ち着く感じ…)
俺は謎の安心感に包まれ眠りに落ちた。
◇
目が覚めて数時間が経ち、俺は少しずつ自分の置かれている状況を理解し始めていた。
どうやら異世界に転生して赤ちゃんになったらしい。
先程話し掛けて来たあの女性は母親で、俺はフィルシアという名前らしい。
前世は男だったけど、どうやら今回は女として産まれたみたいだ。
俺の父親に当たる人物は今のところ見掛けていない。
仕事で居ない、もしくはシングルマザーの家庭なのだろう。
しばらくすると睡魔に襲われ、再び眠りについた。