旅の仲間!
旅に行くと決めた前日。
優はリンと一緒にリンのオススメの武器屋と防具屋へ向かうことにした。
するとそこへアルベルト兵長とその部下を護衛に連れたこの国の姫であるヒカリがやって来て姫が
「優様お待ちください。どこへ行かれるえのですか?」
「姫様か。俺はこれからリンと旅に出るよ。そのついでに呼ばれた理由である魔王を倒す機会があったら挑戦だけしてみるよ。」
「申し訳ございません。姫様。アルベルト兵長。私はユウ様に付いていこうと思います。この方と一緒に入れば新しいものが見えてきそうなので。」
「そんな事を許した覚えは無いぞ。リン二等兵長。二等兵長の職に付いているとはいえお前は私の部下だ。勝手は許さんぞ。」
「では、私は王国兵を抜けたいと思います。この国の敵になるつもりはありませんのでその点は安心してください。いつかは優様と共に帰ってきたいと思います。」
「そんな勝手が」と兵長が言ったところで
「コイツは俺が付いて来いと行った。俺のこれからに必要になる人間だからな。リンには才能がある。その才能を活かせるのはここじゃない。俺の横で護衛をさせた方がコイツの才能を生かせるからだ。」
「何を言っているのですか?確かにリン二等兵長の才能は認めましょう。でもそれはきっちりとした隊列を組その陣形に指示を出す将としてのものでありますよ。」
「なら、1度模擬戦をやるといい。」
「よろしいですか?姫様?」
「いいでしょう。これでリン二等兵長がアルベルト兵長に勝てたら貴方達の旅を認めます。例え認めなくてもあなた達が勝ってしまったら、誰も止めることは出来ません。」
「そういう事だ。リン!勝てよ。俺の教えた剣技を使うことを許可する。臨機応変に対応しろよ。」
「はい。」とリンが優にむかってしっかりと返事をした。そしてアルベルト兵長が準備を終えて戻ってくるのを待っていた。
しばらくしてしっかりと武器を持ってきた兵長は「まさかお前と模擬戦を行う事になるとわな。新人として入ってきた時以来か。」
「そうですね。あの時の様に甘く見てると負けますよ。」
「その位は言われずとも分かっておるよ。それでは審判を頼もうか。」と言い部下の1人に審判をやらせた。
「それではアルベルト兵長とリン二等兵長の模擬戦を行います。・・・・・・はじめ!」
大剣のアルベルト兵長と小太刀の二刀流のリン二等兵長が、戦いを始めた。最初は基本的なこの王国の兵に伝わる剣術でリンも対抗するが、徐々に改良した剣捌きに変わっていくのを見て、兵長は押されるようになっていく。
本来の小太刀の二刀流は剣技と剣技の間に多少の無理が出てしまいそこが弱点になっているのだが、その弱点となっている部分が無くなっており兵長は攻めきれないでいるのだ。そのまま防戦一方のまましばらく経ちリンの小太刀が兵長の喉元に剥けられた時に模擬戦を終わらせた。
・・・兵長がリンより早く「いつの間にこれ程の力を。・・・分かった好きにすればいいさ。」
「ありがとうございます!兵長」
そう言うと兵長は城へと帰ろうとしたが
「アルベルト兵長!お待ちください。私の護衛が終わっていませんよ。」
「そうでした。申し訳ございません。」と言い戻ってきた。
「それで俺達は旅に出るが文句は無いな?」
「そうですね。姫様よろしいですか?」
「わかりました。度に出すことを許可します。その代わり私を連れていってください!足でまといになったら置いていって構いません。」
「わかりました。では、足でまといになるのでこの国の城で働いていてください。」
「まだ、私の実力を見ていませんよね。私の前世はあなたの腰にある人剣ヒカリですよ。剣の心得位はあります。」
「お待ち下さい姫様!あなたが出て行ってしまったら誰がこの国をまとめるのですか?無責任な事はしないで頂きたい。」アルベルト兵長が慌てて姫を止めようとするが優が
「分かったよ。実力をみて使えそうなら連れて行ってやるよ。ダメだったら文句を言わずに諦めて公務に付け。いいな?」
「はい。」
「なら、今からできるか?」
「大丈夫です。私も武器はあなたの言う日本刀の様な武器を使わせて頂きます。」
「分かったよ。リン審判を頼む。2分だ!」
「はい!任せてください。」
と言い2人は場所に着いて柄の部分握った。
「では、始め!」模擬戦がまた始まった。
スタートから、姫が攻め込んでいるが優には掠りもしない。そこで優が「姫様の剣はこんなものかよ。ダメだなこんなんじゃ。すぐに死ぬだろうから連れて行けないな。」
と挑発気味に言いそれに姫様も「あなたが本気出来てくれるのであれば私も本気を出しますよ。」と言い返してきた。
そこで優は飽きれた顔をして溜息をついた。
「分かったよ。少し本気を出すよ。」と言った瞬間に目の色が少し変化をした。
優の動きが早くなってからも姫様は何とか追い返そうと必死に剣を振り続けた。優は姫様の限界を知ろうとまた徐々に剣技の速さを上げていった。そして姫様の限界に達した時に優は姫様の剣を手で受け止めた。
「もういいよ。実力は分かった。」
「そうですか。久しぶりに本気でやらせて頂きました。結果はどうですか?」
「そうだな。一応合格だな。お前の剣技は今までの俺の剣技と同じだな。でもコピー止まりだな。」
「合格なのにそれ止まりでは今はダメですか?コピーはあなたの流派のものですよ。あなたが異常なのです。」
「まあそうだな。とりあえず後2日は待っていてやる。それまでに引き継ぎ等を終わらせて俺の住んでいる宿に来い。出来るか?」
「はい!」
こうして優はリンとひかり姫を旅の仲間にして旅に出ることになるのでした。