召喚
初めて書いたバトルもの(予定)です。よろしくおねがいします。
「本当によろしいのですね?姫さま?」
「なぜ今頃そのようなことを言うのですか?アルベルト。これはもう国家の会議で決められたことですよ。」
「わかっております。しかし勇者を召喚するのに必要になるのは貴方の永遠の愛なのですよ。」
「その位わかっております。貴方も能力の持ち主なら、過去のいや、前世の記憶を見ますよね?」
「はい。それと何か関係があるのですか?」
「その前世の記憶にいる私にとっての最愛の勇者を召喚するのです。あの方の力はあなた達もご存知でしょう。」
「はい。しかしそれは我々の召喚しようとしている勇者の10年後の力であり、現段階では一般の学生ではないですか?」
「そうです。現段階では彼はただの高校生です。しかし、あの方はこの次元の中で最初で最後の能力を持つのです。私たちの力があれば彼はすぐに目覚めて私たちを超えた力が手に入るはずです。」
「わかりました。姫様のそのお言葉を信じます。それではこれより、召喚術式を解放する。目標は菜花優とその愛剣の人剣ヒカリ。始めろ。」
『了解しました。アルベルト兵長、ヒカリ姫殿下。』
一方その頃。
「ねえユウ君!」
「なんだよ。ヒカリ」
「あなたの精霊の能力の調子はどう?」
「問題無い。ヒカリも人化は、相当の力を使うんだろ??」
「大丈夫だよ。私はあなたの武器にしかなれないけど。あなたとなら、最強のつもりよ。」
と言った瞬間床が突然光りだした。
「なんだよこれは?ヒカリわかるか?」
「私はあなたの剣なのよ。今は人化してるけど。知るわけがないでしょ。」
この瞬間突然周りの景色が変わった。
「あなた様は菜花優様とその愛剣ヒカリ様でございますね。」
「そうだけどなんだよ。そもそもなんでお前達にヒカリの人化状態が見えるんだよ?」
ヒカリがユウの後ろに自然と身を隠した。そこでユウは少し強めに言った。
「お前達は何者だ。なぜ俺達の名前を知っている?」
「遅れて申し訳ありません。私はこの国の姫殿下をやっておりますヒカリと申します。こちらは兵長で今後はあなたのお世話役になるアルベルト兵長です。」
「よろしくおねがいします。ユウ殿ヒカリ殿。私がお2人の生活を責任を持ってお守りします。」
「それでは、挨拶もすみましたので私は姫としてあなた方にお願いしたいことがございます。」
「よくわからないけど。とりあえず話を聞くよ。」
「ありがとうございます。では早速ですがあなたはその愛剣のヒカリの記憶を私が持っていると言ったら信じますか?」
「どういうこと?」
「私の前世はあなたの愛剣ヒカリです。人剣と呼ばれていましたね。あなたとは毎日のように会話を楽しんでおりました。」
「わかったよ。あなたがヒカリの記憶を持ったことは信じましょう。」
「えっ・・・信じちゃうの?」
「とりあえず今の所はな。なら、俺の質問に答えてもらおうか。」
「何でしょうか?」
「俺とヒカリが初めて会った場所と契約した場所、ヒカリが人化出来るようになった場所を答えてもらおうか。これに答えられたら本当に信じよう。これならヒカリも文句は無いよな?」
「うん」そう言ってヒカリはユウの背中に隠れるのであった。
「わかりました。初めて会ったのはあなたの部屋です。その時は家に置いてあるただの精霊の力を宿した剣でした。契約をしたのはその半年後の学校の屋上。ひと化は、さらにこの二年後です。」
「なら、契約の言葉はわかるか?ヒカリは覚えてるか?」
「当たり前じゃん」
「言うなよ。わかるなら、姫様も言ってみろよ。」
「わかりました。この精霊の剣を我が一部として認める精霊剣よ、我を認め共に歩みを始めよう。ですよね?」
「合っている。わかった。お前の持っている記憶は本物だ。ヒカリも認めるか?」
「認めます。」
ヒカリは凄く嫌そうな顔をしながら答えたのだった。
「それでは、あなた達にお願いしたいことがあるのですが、話を聞いて頂けますね?」
「いいけど俺は普通の高校生だぞ。少し珍しい精霊の能力を持っているだけの。ヒカリも本来は普通の日本刀だよ。なぜか周りからは剣って呼ばれてるけど。なぁヒカリ。」
「そうよ。私だって元々は日本刀の精霊でユウ君の精霊の能力がきっかけで魂が宿っただけの日本刀だよ。」
「そんな俺達に何をさせようって言うのさ?」
「はい。あなたの精霊の能力は今までの歴史でたった2人しか現れていない貴重な能力なのです。その精霊の能力は主に自然と共に戦う力を持っています。人剣ヒカリもあなたの精霊の能力に反応してこの剣を作った女性が込めた魂が人化という形で具現化したものです。」
「それは知っている。それよりどんな仕事をさせようとしているのさ?」
「はい。あなたにはこの国の魔法剣士の育成に力を貸して欲しいのです。」
『ハッ・・・』
「いやいやいや。俺は剣士じゃないから。さっきも言ったと思うけど、俺は普通の高校生だぞ。ヒカリの記憶があるなら知ってるだろ。」
「はい。存じております。あなたがまだ覚醒する前の状態であることも、能力の本当の使い方を知らないことも。」
「じゃあなんで俺にそんなことを」
「思い出した。私の能力の一つに主の能力の使い方を戦いの間に無意識に伝える能力もあるけど、まだ戦ったことがないから教えたこともないね。」
ゴチン
「このアホ。」
「痛いよユウ。」
「よろしいですか?」
「で、俺を覚醒させて魔法剣士の育成をしてもらおうってわけ?」
「はい。そして彼らを従えて国境の周辺にある森の中に住んでいる魔物を倒していただきたいのです。そして最終的にはどこかに住んでいると言われている魔王を倒していただきたいのです。最後はあなたの精霊の能力で。」
「なんで俺の精霊の能力なんだ?」
「はい。この世界ではあなたの精霊の能力のことを聖の能力と呼んでおります。魔王の持つと言われる魔の能力に対抗するには聖あなたの持つ精霊の能力がどうしても必要なのです。」
「なら、俺じゃなくて歴史上のもう1人の方を呼べばよかっただろ。」
「そういうわけにもいかないのです。」
「なんで?」
「なぜなら、そのもう1人の精霊の能力の持ち主が能力を暴走させて魔の能力に変えてしまったからです。それと召喚の代償が召喚主が召喚した勇者に永遠の愛を与え続けることなのです。」
「わかったけど。いずれは俺と同じ能力を持った人が出てくるのじゃないの?」
「はい。可能性はあります。しかしその人がちゃんと目覚める保証がありません。」
「それなら、俺も同じだろ。」
「いえいえ。あなたは覚醒の第一段階を終えております。なぜなら、あなたの精霊の能力は第一段階の覚醒を終えて聖の能力に変化しているからです。精霊の能力とは聖と魔の両方に成りうる本当に難しい能力なのです。」
「その聖の能力はどんな効果があるの?」
「はい。治癒や飛翔、瞬間移動、切断などいろいろあると言われております。」
「でも俺は何の能力も使えないよ。」
「わかっております。あなたが歴史に名を残すのはあなたが聖に目覚めてから、10年後の話ですから。人剣ヒカリもその頃に歴史に名を残します。ただ、ヒカリは人として名を残しておりますね。おそらく能力が強くなったことによりヒカリの人化が他人からも見えるようになったのでしょう。」
「だってよ。」
「他人に見られるのはあまりいい気分じゃないよ。」
「ただ、他人に見られるようになり人にまた1歩近くなった人剣ヒカリは我々人間と同じように寿命を持つようになります。その寿命はユウさん次第でした。」
「どういう意味だ?」
「あなたが死んだらヒカリも死ぬということです。ただ、ユウさんは人としては恐ろしく長生きをしておりました。確か300年程生きていたはずてすよ。その人生で致命傷を何度か受けたそうですが、圧倒的な治癒力で回復して勝ち続けてきたそうです。それでも最後は寿命で亡くなりました。というように話は伝わっておりますし、記憶しています。」
「なんで今そんな話をしたんだ?」
「必要やことだからです。」
「おそらく致命傷を負わなければあと100年分の寿命を残していたのではないでしょうか?」
「こんな話を聞いて俺はどうすればいいんだよ?」
「その為にこちらの魔法剣士達をあなた自身の手で育て上げ、最強の軍隊を作って欲しいのです。」
「でも、俺はまだ第二段階の覚醒をしていないんだろ?」
「はい。覚醒条件はわかりますのでお任せ下さい。おそらくはヒカリも知っているのではないですか?」
「知ってるよ。でも、それはユウを私に近い存在にするのと同じことだから。」
「どういうことだ?ヒカリ?」
「覚醒条件は1度大きな争いに最前線で出て敵を切って、私と同じ人の血を浴びること。そうしたら、覚醒は完成する。私の一部があの時の逆でユウの中に流れ込む。こうすることで人でありながら人で無い存在にあなたは変わってしまうのユウ。」
「それはなんとなく気づいていたよ。前と少しずつ変わっている感じはあるから。」
「そうね。性格も今では前のすごく優しかったユウと少し強気のユウの二つがぶつかりあっているからね。今はどっちなの?」
「さあね。ただ、いつもと同じように感じるから、問題は無いよ。」
これから、バトルものらしくしたいと思っています。頑張ります。コメントを参考にしてみたいと思うのでお願いします。