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君
気付けば、いつも
僕の右手にはあるものが...
それを何の躊躇いもなく
僕の左手へ...
紅い紅い液体が
僕の左手から流れ落ちる...
この時だけ
僕が生きていると実感できる
この世界は腐っている
だけど、
そんな世界に住んでいる僕も
きっと、腐っているんだろう...
だったら、僕は
『イラナイ』
手首から流れる液体は
僕を現実へと連れ戻す...
そんなことを繰り返す毎日
楽しくもない日常
君と出逢ったのは、
そんな時だったんだ...
手首の傷を治すために
親に連れられてやってきた僕
その病院で君を見つけた
他の人なんか、目に入らないくらいに
君のことを見ていたんだ...
僕にとって君は
太陽みたいに温かい人
そんな僕から君への
最初の気持ち...