内戦?⑤
第98話 「内戦?⑤」始まります。
我に返った者から周りを見渡している。隣と確認している者もいる。ほぼ全員が戻ってきた時、室内に手の鳴る音がした。
「はい、皆さん注目です。今 藤治郎・いえ陛下は、ハイマーケット城の方へ敵情視察へ行かれました。妾達は陛下の指示通りに笠原城に向かいます。
まず先陣としてウィルソン殿最短コースを通りなさい。二陣は義兄上、三陣は本陣として妾と王妃様学園の者達そしてリュカ隊二千、四陣ヘンリー殿とする」
「レイラ殿秀政殿この街の事頼みましたよ」
「お任せ下さい」
霞が指示を出し由紀が追従しゲイルが返答した。
「出発する」
霞の号令で動き出す人々。順次町中を行進する。
通りにいる町民達から激励などの声援が送られ、将達は手を振り答え、兵達は綺麗に揃って行進するが、学生達は手を振る者、照れで俯く者色々であった。
ハイマーケットの城下町に到着した藤治郎達は街道を東に向っていた。そこそこ賑わいのある街で戦中だ言う事を忘れさせていた。
「藤治郎様どちらに行かれますか?」
護衛も兼ねているカールは店を一軒一軒見て回る藤治郎に問いかけた。
「そうだね、あそこに行こう」
藤治郎は指を指し答えた。そこには、うどんと書かれた旗が立っていた。
藤治郎達はその店の暖簾を潜る。
「かけ六つ」
暫く待つとお盆に二食つ乗せて持ってきて、下ろして去って再び持ってきて下ろすを繰り返す。
「お客さんは、見かけネェ顔だが何処に行くんだい」
亭主が愛想を振りまきながら聴いてきた。
「紫畑に」
藤治郎が代表して答える。
「そうかい」
それだけ言うと奥へ戻っていった。
藤治郎は、その様子を見て軽く微笑んだ。
それを見た弥生が、
「じっちゃん、何考えているのよ」
「それよか、はよ食え時期に忙しくなる」
「なによ。自分勝手なんだから」
弥生が文句を言いながら食い出すと、周りの者達も食べ出した。
次回 「内戦?⑥」 お楽しみに。 m(__)m