魔物④
第92話 「魔物④」始まります
「暫し待て、まずは先に話させてくれ、先の戦より日が経ってないのに、よく集めてくれた。礼を言う。ありがとう。今後も期待する」
何故、藤治郎に報告する?何故、ティーラー殿に報告しない?
何故、国主のカサエル大公爵閣下が謙遜する?何故自分が大将にならない?
何故藤治郎が偉そうなのだ。武はある。これは特十級職員であることから証明されている。
智もある。それは共に学んでいるから解る。だが平民のくせに生意気な。
ロバートの思考が混乱する中マイティが返答する。
「有り難き幸せ」
「では、聞こうか」
「お待ちください。カサエル大公爵閣下、何故閣下が指揮をとらないのですか?」
「君は?」
「私はサンタワー秀高学園一年ロバート・ハリソンです」
混乱するロバートはついに発言さえ認めてい居ないにもかかわらず無礼にもマイティ・カサエルの行動に異議を申し立てたのである。
「ロバート君黙りなさい。ここは学校ではありません。退場したくなければ黙っていなさい」
由紀の剣幕は外の警備兵に聴こえ、すぐさま飛んできた。
「いいかがされましたか、王妃」
「何でもありません。ありがとう持ち場に戻ってください」
「はい」
由紀の言葉安堵した警備兵は戻っていった。
次回「魔物⑤」 お楽しみに。