魔物②
第90話 「魔物②」始まります。
「ほう、して数は」
藤治郎は秀政に聴いた。
「数はゴブリン隊二百、コボルト二百、混合体五十が南行」
「奴らならするしかあるまい」
地図を見ながら答える。
信貴丘からだと西側に湿地帯が有り陸路となれば大川の北五キロ地点まで南下しないと進めない。
「報告します」
「何か進展したか」
秀政は使者に問う。
「笠原城代テール・ウィルソン子爵様より リザードが百五十、さらにオーク三百が南下中、旗確認、輪鼓に手鞠」
何故、リザードが南下する。やつらなら渡れるだろうに、旗を持つ魔物?
藤治郎は疑問を持ちつつ黙って聞いていた。
しばらくすると、再び別の使者がやって来た。
「申し上げます。ビックラビット二百、ミノー五十、ビックコング五十、スケルトン百を確認」
「下がってよい」
秀政は隣にいた男に、
「聞いていたな。これを国王様にお伝えせよ」
「はっ」
男は立ち去ろうとするが、藤治郎が待ったをかけた。
「それよりも星見ヶ丘に赴き、マイティ・カサエル大公殿に兵を率いて来るよう伝えよ」
訳の分からない男に藤治郎がイラつき、
「えーい、何を愚図っておるか。藤治郎からと付け加えよ」
男は立ち去り、秀政は疑問思い聞いてみた。
「藤治郎様、何上?」
「もう呼んでおる。時期に来る」
次回 「魔物③」お楽しみに。