追跡⑩
第86話 「追跡⑩」始まります。
今日入学式があって、そこで藤治郎と名乗る少年に逢った。
そして同じ組になったの良いが、ロバート君は自己紹介後、先生と藤治郎について討論になった。いつ襲ってくるか解らない状態だ。
なんせ先生にすら噛み付く狂犬だ。先生に地位と力で負けた彼は当然藤治郎にあたるだろう。
藤治郎君は何というか弟みたいなのである。どっから見てても中等生にしか見えない。
折角出来た友、みすみすやられたりするのは癪に障る。
なので帰りは一緒に帰る事にした。
で、校門まで来たのだが思った通り、ロバート君は付いてきた。
だが予想外の出来事が起こった。
藤治郎君が二人の美少女に両腕を捕獲されているのである。確か生徒奉行長の弥生・カサエルさんと生徒総大将の木下由紀さんなんです。
僕は目が点になってます。彼女達曰わく護衛らしいです。
彼女達の本当の護衛さん達は苦笑いしてます。
ロバート君を撒く為、転移?してきた所に懐かしさを感じ声を荒立ててしまった。
「僕、此処に来た事ある」
話を聴いている内に思い出した。ハイムーン城だ。
眺めていると門兵達がやって来て整列した。
「お帰りなさいませ。国王陛下、由紀殿下、弥生殿下、そして御学友の皆様いらっしゃいませ。霞殿下がお待ちです」
ん、今なんか聞こえたような。国王陛下、この中にいたのか、聞き間違いだろう。
で屋敷に入ったのだが、目の前に霞殿下の上に座る藤治郎君、可愛すぎる。脳内倉庫に画像を記録。
一息遊んだ僕たちは、帰り支度をしている。
しかし、問題は明日からのロバート君に対してだ。
僕は気になり聴いてみた。
「さて、ロバートをどうする?藤治郎、たぶん明日も付いて来ると思うぞ、そればかりか襲ってくる可能性もあるのでは?」
「あーそれなら心配ないわ。先生に勝てないなら私やじっちゃんに勝てるわけないわ」
弥生殿下が答え、由紀殿下が頷く。
そうなのか?まぁ二人が良いなら いいか・・・。
次回 「追跡⑪」 お楽しみに。