追跡⑧
第84話 「追跡⑧」 始まります。
学友達と実家に帰ってきた。其処に待っていたのは、娘の霞であった。学校との距離直線で一.三里跳躍したのは一里、瞬間移動でロバート達を撒けたのはよいが、
娘に掴まってしまい。娘の膝の上にいる。見た目は母の膝に乗る子供なのだが・・・解せぬ。
「なぁ霞、余は何故霞の膝にいるのだ」
「何故って解りませぬか。暫く帰ってこなかったのが悪う御座りまする。
父上成分を補給せねばなりませぬ上」
「そんな事せずとも・・・」
「私が父の上になど座りたいけど出来ませぬ。してしまえば父上が潰れてしまいまする。仕方ないので・・・」
「余の学友がおり妻もいるのだぞ」
「関係ありませぬ。由紀には許可もろうて居りまする」
学友達は余の目の前で目が合点になっており、霞の両隣に弥生と由紀で固めており、藤治郎は逃げられない状態になっていた。
弥生は学友達に家系図の説明をしていた。納得した霞が余を由紀との間に降ろした。
「私はマイティ・カサエル大公爵が娘であり、藤治郎様の妻、木下由紀、夫共々よろしくね」
ウインクしながら挨拶をしていた。
学友達は驚いていた。
「由紀殿下」
「由紀で良いわよ。皆もね。これは命令よ」
学友達は諦めた。
「由紀さんの家名は木下とおっしゃいましたか」
エミリィーが質問をした。
「と言う事は・・・」
エミリィーは父の言葉を思い出した。二週間前の事である『今日、国王陛下の婚礼式に行ってきたのじゃがなかなか似合いの少年少女であった。確か国王陛下の名は木下吉政であったか』
「旦那様は吉政様ですか?」
「あらあら」
彼女の核心を突く言葉に霞が微笑んだ。
娘の言葉は無視だな。
「はい、そしてこちらがこの秋津大帝国の国王でもある木下藤治郎吉政様でーーす」
頭を傾け吉政の肩に乗せ、熱々振りを見せつける由紀であった。
それを聴いた学友達は、揃って立ち上がり扉近くまで移動すると、順に平伏すのであった。
うん、今回も題目詐欺だな。
次回「追跡⑨」 お楽しみに