追跡④
第80話 「追跡④」始まります。
手を土砂がある上の方へ向け、風魔法で土を跳ね飛ばしている藤次郎。俺は使えない為、土を鋤くい後方へ放り投げる。あいつには負けたくない。
「皆、こっちに来て下がって」
生徒奉行長が叫んだ事で、土砂の近くで作業していた人々は、手を止め彼女の方へ近づいて行った。
仕方なく俺も従った。
すると藤治郎が前に出て、崖の方へ近づくと反対の土砂の少ない崖の方へ手を向けて少しずつ水をかけ水圧を上げっていった。
すると、土が水によって飛ばされていく。
倒木の上にもかけて行った。
しばらく見ていると倒木と岩だけ残り、その中の人達が少し見えた。
でも、大きすぎる木と人より大きな岩が、邪魔している。
藤治郎は三つあるうちの、一番小さな四尺ぐらいある木の被さっていない岩に近づくと、中心辺りを人差し指突いた。
「はっ」
藤治郎が気合を入れるとそこから皹が入って、一気に崩れた。
奴は何をしたんだ。しばらく見ていると、中から閉じ込められていた人々が、数人出てきて生徒総大将の治療を受け出した。
藤治郎はさらに大きい岩を一発叩いた。崩れる岩を確認すると道を塞いでる岩を叩いた。これも粉々になって崩れ山となる。
こんなの出来る人間など獣人族ぐらいしか聴いた事がない。何もんなんだ奴は?
俺は叩き出すネタを探すつもりが興味を持ち素性が知りたくなった。そうとは言わず。
「おい、おまえらこの後も付けるぞ」
俺の手下共に命じた。
次回「追跡⑤」お楽しみに 。