決闘と言う名の授業
第75話「決闘と言う名の授業」始まります。
観戦する所から三十丈離れた二人は三間の距離を空けて対峙していた。
「そろそろ良いかしら、好きなように係ってきなさい」
「吠え面かくなよ。勝って我が正しい事、証明する」
腕と指を真っ直ぐにしてスペンサーに豪語するロバートは言い終わると同時に突っ込んでいった。
スペンサーはそれをあっさりと交わし、ロバートの背中に竹刀を打ち付けた。
「どうしたの教室一番になるのじゃなくって」
スペンサーはロバートを挑発する。
「フン。手を抜いてるんだよ。本気になってアンタを痛めつけて、親父に叱られるのはまっぴらだからな」
「大丈夫よ。君は私に本気でやっても勝てないから」
「ぬかせ」
立ち上がり、改めて竹刀を構え、向き合うロバートはスペンサーに向けて竹刀を振り下ろす。
その竹刀を払い叩き込む。何度振り下ろしてみても、彼女には届かない。総て弾き返される。
案外根は真っ直ぐねぇ。こりゃ鍛えたら化けるかも。
そんな感想をして彼を見ていたのは、スペンサーだけではなかった。
ロバートは、何度か打ち合った後、後方に下がり距離をとった。
「ならば、これならどうだぁ」
ロバートは、スペンサーから目を離さず。なにやら呟いて叫んだ。
「ファイヤーアロー」
矢の形をした火が数本放たれる。スペンサーは右手の掌を出すと、
「エアーワール」
と呟いた。右手から出された壁みたいなもので、火の矢は塞がれた。
次回「決闘と言う名の授業②」お楽しみにm(__)m