学園⑧
第74話 「学園⑧」始まります。
世間知らずの愚息に溜息を出すジョセフ。
「わかったよぉ」
下を向き返事するロバートは、次の作戦を考えるのである。
「いいえ、貴方は解っていません。すぐにでも同じ過ちを犯すでしょう。
まず貴方のした行為は、爵持ちでない貴方が爵持ちであるわたくしにした無礼の行為は、知らないとは言え、不敬罪に該当し無礼討ちにしてされても文句は言われません。
但しこれには、二人以上の承認が要ります。但し親族は含まれません。言っている事が解りまますか?」
首を振るロバートに諭すように説明する。
「まぁ、簡単に言うと、わたくしでなかったら貴方は死んでいたでしょう。さらに言いますと、貴方のした事は国の決定に異を唱え、決定に反した行動を実行に移した事です。
これは、場合によっては、国家転覆罪に相当し爵位剥奪、財産没収と貴方から見て四親等内総て死罪になります。ここは学校ですのでそれらを含めて学ぶ場所であります。外では絶対にしないよう心掛けて於くように。」
スペンサーの話しに、ロバートは青ざめて行く。
「あっそうそう、この学園にはわたくしでも庇いきれない方々が居られますから、けしてその方達の逆鱗に触れない様してください。
みなさんも注意して下さいね」
スペンサーは藤治郎をちら見しながら話す。その言葉に藤治郎以外は頷いていた。
「では、ロバート・ハリソン君模擬戦でもしますか。立ちなさい。あれだけ豪語したんだからするでしょ。行きますよ。
皆さんは此方で観戦です。ジョセフ殿この子達の警護頼みますね。あらちょうどいい所に生徒奉行長が居ますね」
スペンサーは微笑みながら言う。
「先生、今気付いた振りはやめてくださいね。いいわよ引き受けますわ。危険と判断したときは中止にしますわよ」
次回 「決闘と言う名の授業」お楽しみに