礼を言う。ありがとう
第7話「礼を言う。ありがとう」始まります。
「あっ其れね、この世界と父上の世界繋がって無くて送る事不可能なの」
えっ今霞が噸でもない事さらっと言いよったみたいだが・・・
「はい、これ」
俺の前に霞によって置かれた紙を見ると、見慣れた魔法陣に詠唱が書かれていた。
「私は解んないんだけど、是を書いて呼び出したみたいなのよ」
「弥生、何故この詠唱にした」
「えっ」
「怒っているのでない、本来ここは魔獣、もしくは名前が入る。
そして、此処は・・・
弥生、礼を言う。ありがとう。」
吉政は弥生に魔法陣と詠唱について解釈して、
そのまま続けて話した。
「たぶん知らなかったとは思うが、この詠唱と魔法陣には余が来るよう設定されている。
そしてその設定により生を全うできた事も判明した。さらに我が娘や孫に逢えた。余にとって、こんな嬉しい事はないお互い姿は変われど六十年振りである。呼んでくれてありがとう」
「弥生、父上を呼んでくれてありがとね」
霞も礼を言っているがその声は頭の上から聞こえる。
そう、まだ俺は霞の膝に乗せられている。昔はよく乗せたもんだ。
時より頭を撫でいて、霞の笑顔が見るのが幸せだった。
しかし今は撫でて貰っている。
そう言えば、清美母上や父上によく撫ででてもらっていたなぁ。
懐かしいなぁ。
しかし、戻る事は出来ない事は理解した。
でもこれを見て余が戻れ無いと霞が言ったという事は、霞自身でこの書かれた魔法陣を解析したか、試したか何方かだろう。
「弥生、この魔法陣や詠唱は、そなたが考えたのか」
「うん」
申し訳なさそうに頷く弥生がいる。余は怒ってないのに困ったもんだ。
「弥生、祖父上は怒ってないよ」
「霞の言う通りだ弥生、先ほども言ったが余は褒めたいのだ。
娘に撫でられている余が言っても信じられぬとは言え、
再度言わせて欲しい。ありがとう」
「一つ聴きたい。お、お爺ちゃん、何故子供になっているの」
余は孫の弥生の質問にどう答えたらいい物かと、
悩みつつゆっくり話す事にした。
「理論はまだ解明されては居らぬが、余が居た所とは異なる世界に、来たからではないかと思うておる。過去の経験から言ってだ」
由紀が経験と言う言葉に食らいついた。
「その世界はどのような世界で何をされていたのですか?」
「まず一つ目は乱世で、仙人の弟子となり軍師の一人となって居った。
二つ目は未知なる世界で、世界を守る教皇の代理となり戦人の教育、
そして、三つ目は魔法の世界で魔導師となり教師になって、校長をえて、政治家になった。
それらを終えて自世界で父の後を継いだ。懐かしいなぁ」
過去を思い出しながら話してたら、
「もう変えれないなら、こちらで何かしたらどうかしら、
例えば、うちの子になってみるとか、どう見ても小さい中学生にしか見えないし」
ちょ、ちょ、我が娘とは言えその微笑み怖い。
由紀姫までそんな目をして見ているし厭な予感がする。
「あのう、一つお聞きしたい事があるのですが」
「由紀姫如何なされたのじゃ」
「えぇぇ~、姫って、何で~」
「余の娘である義兄となれば当然ではないのか?
で、余に何が聴きたいのじゃ」
「先程、雅さんが言っていた。太閤殿下とは何なんですか」
あぁーー良かったそんな事か、
余はその質問に安堵していた。
「うむ、まずこの国の政の責任者の職名は何だ」
「国王です」
「余は此処とは違う世界で、此方で言う国王をやって居った。そして太閤というのはそれを隠居した者に送られる言葉じゃ」
「其処には何人いたの」
「そうじゃのう、約千五百万人強だな」
「そんなに~」
関ヶ原合戦時の1600年で 人口は約1220万人と言われてます。
次回「熱でもあるのかしら」 暫しお待ちを。