新居⑪
第66話 「新居⑪」始まります。
「父上、何がどうなったんですか?」
吉政は父のカルロスに問う。
「二十年程前、ウォール街に魔獣が出てね。その時退治したのが、彼の父昭彦氏でね、今まで探していたんだ。
そして、ようやく見つけて、二十数年ぶりに受賞され、子爵となった。まさか鍛冶士になっているは思わなかったよ」
「なぁ彼の親子を父上に仕えさせないか」
「ん、何故だい?」
「当家の為かな、二人とも化けるよ」
「なら藤次郎の所で雇たら」
「親っさんは養父の所でも化けるが」
「息子だけでも雇たら、洩れなく弥生がついてくる。父上にとっては一石二鳥」
にたりと笑う吉政に微笑み返すカルロス。
「彼を義父の元に行かせば一が五にもなりまんなぁ」
「でっしゃろ」
親子になったとは言えまだ半年で、今日初対面の二人が何故か息があっている。
それを見ていた。周囲の者達は呆れかえっていた。
「明日から新学年だが頑張れよ、そして周りのもんに負けるなよ。これも領主、国主の務めでもある」
「あぁ、父上その件は任して欲しい。あぁそれと毎日呼び出される覚悟はしておいて」
「あぁー、これが国主だと思うと・・・」
「まぁ安心しろ。問題は自ら獲ってくるから」
バシーーン
いきなり後ろから叩かれて頭を抱える吉政が後ろを見ると、仁王立ちして右手に張扇を持った霞が居た。
「なにやっての」
次回「学園」お楽しみにm(__)m