凱旋②
第52話 「凱旋②」 始まります。
「寧々か」
吉政の呟きに寧々は、
「はい、殿下もすっかり若くなられて」
「寧々もな」
その会話を聴いた周囲の人々は青ざめている。
そもそも殿下とは、皇族・王族・摂関等の敬称の事であり、分国主や領主では呼ばれない。特に平民から見て雲の上の存在の者の敬称であるからだ。
驚愕しているのはついたばかりの今川氏豊であった。
彼は殿下という言葉に驚いた訳ではない。少年自身の姿に驚いたのだ。
彼は、マイティを押し退け前に出ると、彼女の隣に平伏する。
「藤次郎様、まさか逢えるとは思っておりませんでした。」
「えーーーと、どなたですか」
見覚えのない吉政は首を傾げた。
「ほんとに、覚えて無いのですか」
「藤次郎、控えよ」
「お義父さん」
『藤次郎、現国王今川氏豊様よ』
霞の言葉で思い出した吉政は呟いた。
「あーーー思い出した。前の文化大臣」
「あはははは、要約思い出したようじゃの」
高笑いした氏豊は、暫し考えた後、助手に耳打ちすると、
「皆の者、静粛にしなさい。只今から国王から御言葉を頂戴しますので拝聴しなさい」
「皆の者よ、此度はよく戦ってくれた。予想以上の結果に驚いている。見事であった。よってこの場で褒美を言い渡そうと思うが、どうじゃ」
氏豊は。隣にいたマイティに問いた。
次回「凱旋③」お楽しみに m(__)m