ごめんなさい
予約投稿失敗 ごめんなさい m(_ _)m
第5話「ごめんなさい」はじまります。
説明を聞いたとたん由紀という娘は何の変化も見られなかったが、
孫娘は目を白黒させ、
向かい側の席から机に両手をつき乗り出してくる。
落ち着いたのか、座り直すと、
「お母さんのお父さんって事ですよね」
「うん、そうだよ」
霞はその返事と供に身体を余に預け腕を絡ませてきた。
「で、何故解った。小さくなってしまったのに」
余が問いかけると、霞は、四角くて薄い物を取り出すと、
操作して余の前にある机に置いた。
そこには、子供の頃の余と余を抱く父上、さらに和美義母上、
清美母上が写っている写真だ。
「これは」
「明里義母さんから」
頭を抱えていると急に持ち上げられ、乗せられる。
霞の膝に・・・
「って、何やってるんですか、お母さん」
「うーーんと、補給かな、こうすると疲れが飛ぶのよねぇ、
弥生もやってみると良いよぉ」
「それはそうとして弥生 、お爺ちゃんに言う事あるでしょ」
霞の言葉で弥生は、思い出したように苦笑いしていた。
そして、両手を膝の上に置いて頭を下げた。
「お爺ちゃん、ごめんなさい」
余は訳が解らず霞の方を見た。
霞は微笑むと、
「実は、この娘ったら、召還魔法使っちゃてね」
「で、召還されたのが余だというのか」
「余 余ってなんでぇー 」
弥生はまたも机から乗り出してくる。
えーーなんて言えばわかるかなぁ・・・なんて考えていると、
「弥生、お爺ちゃんの名知らなかったよねぇ、弥生も由紀さんもスキル使って彼を見ていてね」
弥生はしきりに頷いている。
霞が余に耳元で小声で、
「官位は話さなくて良いわよ」
と言い終えると耳を甘噛みする。
余は霞が言っていたスキルに疑問を持ちながらも溜息付いて、
「余は・・木下藤治郎吉政である。弥生、由紀さんよろしくな」
余は霞の言う通りに名前を言っただけなのに、孫の弥生と由紀さんは固まっていた。
さらに、御手伝いさんが、部屋の出入り口でいきなり平伏し、
「太閤殿下、初めて御意を得ます。
此処で家政婦しています。雅と申します。
何なりとお申し付け下さい
そして、奥様、殿下の身内とは知らず無礼の数々、平に御容赦を」
娘の霞を見上げると、左手で顔を隠してた。
「雅、彼の事知っていたのね」
「ハイ、名前だけは存じ上げてます。雲の上の方でしたので、まさかこのような形で出会えるとは、・・・」
余に逢うだけで泣いてくれるとは、嬉しいやら悲しいやら、
暗くなりそうだったので、
「なぁ、スキルを使ってて、何の事だ」
余は子供の頃遊んだゲームで聞き覚えがあったので、
何かかと思い、思い切って聴いてみた。
「父上、この世界では何故か個人情報を見ることが出来るんです。
自分のを見たり他人のを見たり、他にも物の情報とか、
魔物や動物まであらゆるものが知る事が出来る。
但し自分以外の情報を知るには、スキルレベルが必要になります」
ゲームの中に閉じ込められたかな。
まさかな。余は、確かにあの時人生を終えたはずだ。
次回「其れは楽しみだな」 待っててね(^_-)-☆