反撃⑦
第49話 「反撃⑦」始まります。
笑顔で話す吉政に、テールは、苦笑いをしながら答えた。
「藤次郎様御武運を」
「いってくる。ラク行こうか」
《はい、籐様、Mấy giờ rồi?》
吉政は城壁から飛ビ降りた。そこには薄い桃色した愛刀サラスを持った弥生がいた。
その様子を城壁からテールらが眺めていた。
「さすがに大将周りは動かんか、そのほうが攻めやすいし良いかな。弥生、サラス、左から攻めよ。ここには近寄せるな。では暴れようか」
《はい藤次郎様》
二人は左と右に分かれて飛んで行った。
その様子を、数十キロ離れた所から視ていた霞は、
「あらあら、父ちゃんたら」
と呟くのであった。
城壁から眺めていたテールは叫んだ。
「兵士、冒険者に告ぐ。彼らの戦いを観よ。世紀の伝説を見られるかもしれない。そして我々は彼らから学べ」
弥生は、敵の前二十メートルに着地すると、剣を水平に振り払った。その衝撃が敵に当たると、敵が上下に切れずれていく。そのまま片っ端から切り裂いていく。 彼女は真っ直ぐ進んでいるのだが、前方の敵が切られ路ができ其処を走っている。
剣を振りながら唯それだけである。まるで草刈りである。
一方、吉政は空を飛びながら、館に近い所にいる敵から順に一センチぐらいの空気玉をあてて行く。
片っ端から倒していく様子は稲刈りである。綺麗な境界線が出来ている。
城壁から絶賛し、感動している声が飛んで来る。
「何なんだ。あいつらは」
柱に括り付けられながらも観戦しているユリである。
次回 「反撃⑧」 お楽しみに m(__)m