応戦⑨
第42話 「応戦⑨」始まります。
「館長、お呼びでしょうか」
テールはそう言って館長を見ると、彼は微笑みを浮かべながら寝ていた。
彼は従者を見た。彼は目を真っ赤にしながら微笑んでいた。愛想笑いである。
枕元まで行くと、
「後は、任せろ」
テールは、たった一言と呟いた。
其れを聴いたと思われる館長はさらに微笑んだように思われた。
彼は部屋を出ると、しばらくすると鞄を持って戻って来た。
「何が幸いするか解らんな」
と、言いながら深緑色の軍人服に着替えた。
この服は、知る人ぞ知る王国最強警備隊、第一警備隊の隊長服である。
冒険者として指示していた時は、頼りになる愛らしい爺ちゃんなのだが、隊長服を着た彼 は、近寄りがたいカリスマ性のある歴戦の最強軍人そのものである。
その彼が、少し高台になる庭の岩に乗ると大声で叫んだ。
「そのまま続けて耳だけ我に傾けろ。たった今、館長より全軍の指揮権を与えらたウィルソンである。今までよく戦ってくれた。さらに持ち堪える為に軍と冒険者と別けて戦い。軍は一刻、冒険者は半刻戦うそれを繰り返す。 では、今から冒険者は一刻休め。動」
その言葉を聞いて各自動き出す。
この作戦は、案外うまく行き敵の行軍速度を抑えていた。
この作戦開始三刻経とうか言うとき敵後方に数発の爆音と供に砂塵が巻き上がる。
館長代理になった側近のオルフェ・ミッチェルは、テールに声かけた。
「内紛でしょうか?」
「いや違う。我が配下の攻撃である」
次回 「反撃」お楽しみに。