応戦⑥
第39話「応戦⑥」始まります。
「藤ちゃん、藤ちゃんなら思い出すよ。ううん思い出して」
そして、身体を離すと、吉政が首から掛けている。宝石を手に包み唱えた。
弥生は気付いたのだ。唯のの宝石に戻っている事に。
「我木下昭美事サラスが命ず。ラクシュおきなさい。そして使命を全うしなさい」
弥生の言動に驚愕している周囲の目を気にせず。弥生は続けた。
「起きろー」
宝石を叩く弥生。
「ちょっと。弥生何やっているの」
霞は錯乱した弥生を掴み引き離した。
それでも下を向いて頭を抱えている吉
政。
周囲は理解できず見守るしかない。
弥生は宝石を叩く為、吉政の元へ行こうとするのを
霞と由紀が片腕ずつ掴み行かせない様にしている。
すると、宝石が神々しく紫色に点滅し、後点灯した。
[うーーーん。よく寝た]
宝石から可愛らしい声がした。
弥生以外の周囲は唖然としている。
宝石が光りながら話すなんて聞いた事がない。もちろん過去の歴史から視ても、物語から視ても、そんな事語られた事もない。あり得ない現象に、その宝石は注目の的となっていた。
[ん、藤次郎か]
頭の上に吉政が頭を抱えているのが見えた宝石は、唱えた。
[Siêu phục hồi ]
宝石が唱えたと同時に、何事もなかったかのように、吉政は座り直すとゆっくりと深呼吸をした。
次回「応戦⑦」です。