応戦④
第37話 「応戦4」始まります。
ウィルソンやヘンリーや館長が強いと言っても、付いて来ている人々は違う。敵雑兵の此処の力にも劣る者達が大半である。
しかも二十倍の兵力、開始から一刻、此方の兵力はすでに一万も満たない。兵士二千八百、冒険者六千七百ぐらいになっていた。
伝令の話では、応援部隊も鳥人の達奇襲によって、十万の兵が、三万迄減らされていたが、幸いだったのは、指揮官達が減らされていない事と、奇襲隊は全滅させた事であった。
その報告は吉政達の元にも報告された。
「余が行っても良いか?」
吉政が嘆願する。
「何言ってっの」
霞は一蹴する。
「藤ちゃんが今から行っても間に合わないわよ。それに行けたとして、接近戦の得意な藤ちゃんに、何が出来るの?足手纏いになるの解んないの」
弥生は苦い思いをしながら聞いていた。
さらに半刻、懼れていた報告がされた。
「マック・ミトリン殿討死」
「あらーもつかしら、援軍来るまで」
霞がつぶやいた。
ここからは約五十キロ離れているとはいえ不謹慎な物言いに周囲は冷ややかな目を向けた。
確かに戦を知らない霞にとって、他人事なのである。
「くそーーー、余はまた何も出来ず失うのか」
吉政は机を叩き、呟いた。
『藤次郎、貴方はまだ目覚めてない起きなさい』
「どういう事だ」
突然叫んだ吉政に周囲の者達は驚いた。
次回「応戦⑤」お楽しみに。