応戦②
第35話 「応戦②」始まります。
「さて、ここで向かい撃つ訳だが、敵は爬人国で兵数四十万である。しかし我々は二万も満たない。劣勢であるが一日保てばカサエル様がやってくる。それまでもたすぞー。やつらを入れるなー・・・」
志紀館の館長が士気を上げる。彼は解っているが少しでも生存率を上げるためには・・・
しかし、この引き連れてきている人達を死地に向かわせなければならない心苦しさが彼を襲い言葉を詰まらせる。
そんな時二人の男女が、彼の両サイドに立つと、
「湿っぽい顔してんじゃないわよ」
冒険者の方からポツポツと驚きの声が上がる。
「一日耐えりゃいいだけだ。いや耐える必要何てねぇ。俺たちが追い返すんだ。いや倒すんだ。俺達なら出来るはずだそうだろ、何時も闘っているのは何だ。こいつらは、それらより強いのかそんな訳無いだろ唯数多いだけの烏合の衆じゃないのか」
「いいかい、私達の街を私達が守らないで、誰が守るのさ」
二人の演説に兵や冒険者達は目に輝きが灯ってきているのを館長は感じた。
「おっと自己紹介がまだだったな。俺の名はテール・ウィルソン、水の魔術師と言った方が良いかな」
「私は風の魔術師、ウォール・ヘンリー」
英雄がいるか居ないかで、民衆の気持ちは雲泥の差となる。二人が居た事で当然ながら士気は上がった。
「後一刻で見えてくるはずだ今のうちに休んでおけ」
それを聞いた人々は、各々がくつろぎたした。
次回 「応戦③」 お楽しみに ♡