面接
第30話 「面接」始まります
翌日、吉政は由紀とティラー兄妹、そして清六の五人で職業紹介店に訪れた。
「こんにちは、ビートンさん、良い方居られましたか」
「何人かリストアップしておきましたが」
と言いながら紙を渡す。
「一度持ち帰って検討したいと思います。ありがとう御座います」
「面接はいかがなさいますか」
「後日ここで良いですか?」
「はい。いいですよ」
「お手数お掛け致します。では後日連絡致します」
吉政は紙を受け取ると清六の元店へと向かい応接間に入ると、机に先程頂いた紙をテーブルに載せ、テーブルを囲んで座る。
「なかなか難しいもんですねぇ」
清六は呟いた。
「大工の補佐ぐらいしかいませんね」
ヘレーネが同意する。
「いっその事、この二十人と面談しますか」
カールが紙を見ながら聴いてくる。
「新たに広報でもして集めますか」
由紀が腕を絡めながら聞いてくる。
「其れもいいけど時期早々かな」
確かに広報は手っ取り早い方法だろう。
「ここはカールとヘレーネの策で行く」
「もしかして、気になる人がいましたか」
由紀が聞いてくるのは良いが、頭まで肩に乗せ来る。
「ちょっと真っ直ぐ座ろうな」
由紀の傾いていた身体を正すと、彼女は少し剥れていた。
一週間後、職業紹介店の会議室で二十人と面接をしていた。
次回 「面接 ②」お楽しみに