ショーは終わりよ
第28話 「ショーは終わりよ」 始まります。
カールは渋々出て行く弥生を見ながら、霞に言った。
「すみません」
「あら、えっと」
「カール・ティラーと言います。よろしくお願いします」
「カール君ね、よろしく。あーそれと、言わなくて良いわよ。解ってるから」
霞はそう言いながら手を振る。
ほんまに解ってるのだろうか?ティラー兄妹は、次の弥生の言葉で総てを悟った。
「さてと、弥生の言葉に乗るかな。ヘレーネ御免ね」
暫くすると吉政が降りてきた。後ろには弥生と由紀が居て、弥生が由紀に謝っている
「霞何か」
霞が笑いながら吉政の言葉を止める。
「母上でしょ」
「母上、お呼びですか?」
何故呼ばれたか分かんない吉政の顔をティラー兄妹は見てた。
「其処の娘さんを手込めにしたって゛どう言う事かしら」
霞は張扇を叩きながら詰め寄る。
「そんな事してませんよ」
「藤ちゃん、何したん。」
突然由紀から叱責され戸惑う吉政。
「厭、何にもしてないから、ちょっと奴隷として買っただけだから」
身振り手振りで否定している吉政だが返答が、由紀の逆鱗に触れたみたいだ。
「奴隷ですって、何させるすもりですか?あんな事やこんな事をさせるのですか?」
「ちょ、ちょ、由紀、何言っているか解っているの」
弥生の言葉に首を傾げ気付いて弥生の後ろに隠れる。
「はい、はい、ショーは終わりよ」
霞が手を叩きながら、前に出て来た。
「皆こっちに来て座って」
霞は吉政を床の間の前に座らせ、霞自身はその横の隅に、下座を見て座り周りを見渡した。
座った事を確認すると、大きく深呼吸して身体を四十五度動かして、土下座をした。
弥生は吉政の正面に座り平伏する。それを見た他の者達も真似をする。由紀やヘレーネ達そして、町内の人々や、いつの間にかやってきた清六達も真似た。
次回 「御屋形様の言葉」