複雑ですなぁ
第27話 「複雑ですなぁ」始まります。
「こちらでは初めましてかな、私、弥生・カサエルと申し霞・カサエルの娘です。弟がお世話になってます」
「いえいえ、此方こそ殿下には助けられまして、有りがとう御座います」
「とまぁ、社交辞令はこの辺にして」
「加賀守殿と真理、逢いたかった。あっ」
キョトンとしている辺りに、まだ自己紹介してない事に気が付いた。
「加賀爺、真理、私木下昭美よ。解る?」
身を乗り出して、話し掛ける弥生に驚いていた。
「「え、昭美様」」
「可愛く成られましたなぁ」
「ありがと、加賀爺、でもこれ内緒ね。
それでね吉政には、何て言われて付いてきたの?」
「ついてこい。だけですな」
「えっ、もしかしてそれだけの事で付いてきたの?」
「いえ、飼育商で殿下に買われまして」
「買われたって、いったい次ちゃんは何してんのよぉ」
天を仰ぐ弥生。
「いえ、そのときに我らを助けられまして、前世とこれで二度目になります。殿下に逢わなければ、我らどうなっていた事でしょうか。考えただけでもぞーとします」
「まぁ、もう時期母上が帰ってくるから、その時でもゆっくり次っちゃんと由紀とみんなで話しますか」
「あのー、由紀さんというのは?」
ティラーが疑問に思った事を聴いてみた。
「次っちゃんの彼女で由紀カサエル、マイティー・カサエルの長女よ。でね母は、前世で次っちゃんの娘よ」
「なんと、複雑ですなぁ」
「あっ、外では内緒ね」
そんな時、玄関から声がした。
「ただいま」
「あっ弥生帰ってたの。あら、お客さん」
弥生を見て、霞の目がティラー兄妹を見て止まった。
「もしかして鈴さん」
「えっ、霞ちゃんなの。今はヘレーネ・ティラーと申します、霞様よろしくお願いします」
「ティラーはどうしてここに」
「そのことはうちが話すね」
弥生が割り込んできた。
「母上次ちゃんがやっちゃったよぉ」
「えっ、えっ、今度は何やったの?○○しちゃったとか、□□したとか」
霞は笑いながらも、手には一メートルにもなる張扇持ち、
「弥生、とうちゃん呼んできなさい」
「はい」
弥生は母に幻想的魔王化した姿を見ると、やらかした事を後悔し、藤次郎に対して謝罪し、恐れながら返事しして呼びに行った。それに伴い一人の男も姿を消した。
次回 「 ショーは終わりよ 」