控えろ
七日アップしましたがその前週とかぶっていた事お詫び申し上げます。
第26回 「控えろ」始まります。
弥生は二人をリビングのソファーに通すと対面に腰掛けた。暫くすると家政婦が茶を煎れて持ってきた。勘助は扉の横にパイプ椅子を置くと其処に座りお茶を楽しんでいた。 長秀は姿勢を正し平伏しながら、後ろにいる元店主や
妹に怒鳴った。
「えーい、皆の者何をしておるか控えろ」
これには吉政が驚き苦笑いをした。
「加賀守止めよ」
「はっ」
「ヘレーネ、カール行くぞ」
「はっ」
「はい」
「そそ、店主いや違うな。田中清六だったな此の者達の事頼んだぞ。また来る」
吉政は振り返り言うと、清六は驚いた。隠蔽までして偽名を使っていた本名で呼ばれたからだ。
吉政は店を出ると、四人で家に帰って行った。
「ただいま」
十五歳らしく元気に挨拶する吉政。その言動に。威厳はなく、驚くティラー兄妹だが、
「次ちゃん、何処行ってたの由紀ほっといて」
カールは玄関フロアで騒いでいる少女の方を見た。すると奥の扉を開けて顔だけ出している少女もいる。
「弥生、何怒って居るんだ。霞には行っておいたはずだが、まぁよい会わせたいのが居るから連れてきた」
弥生は後ろの二人を視る。序々に驚きを隠せず手を口に当てていた。
「次ちゃんは由紀の相手してて、えーと」
二人を見詰める弥生に慌てて、
「初めましてヘレーネ・ティラーと申します」
「カール・ティラーと申しますお見知りおきのほどを」
「ヘレーネさんとカールさん、此方へどうぞ」
「お邪魔するよ」
勘助も続いて上がっていった。
「加賀守殿と真理、久しぶりだね。次ちゃんが連れ来たとは驚いたわ」
その言葉に驚いたのは二人供だった。なんせこちらのせかいでは初めて会うにも拘わらず旧名を言い当てたのだから、鑑定スキルで言い当てたのかと思ったが、それなら久しぶりの言葉は当てはまらない。
「あっそうか、この姿では分かんないよね」
一人で納得している弥生。
次回 「複雑でんなぁ 」 お楽しみに。