しかと申し渡した
第25話 「しかと申し渡した」始まります。
「藤治郎様如何なされますか?」
「そだね」
領主の家老が少年を立てている?
「裁きを申し渡す。其処にいる奴隷共に免じて、私財はは没収し、亭主は余に仕えよ。尚屋敷が出来るまで此処は無償で貸す物とする」
「あのーーこれでよろしいのですか?」
余りの裁きに吃驚して大林様に確認した。そもそも裁きを言ったのが御家老様でなく後ろの少年だからだ。こんな甘い裁きを後で反古にされるのを恐れたからだ。しかしこの少年何故か名前すら解らん。何者なのだろうか?
「かまわん、当方に異論はないと言うより言えん」
えっ言えないって?貴方家老でしょ。
「あっそうだ。現在ここにいる者達も総て余に仕えよ」
「仕えよって言われても、何処の何方かも解りません。教えて貰えませんか?」
そりゃそうだよね。解らんやつに仕えるなんて余でも厭だな。
「申し遅れた。来月からカサエル家よりこの地を承る事になった。木下藤次郎吉政である」
「えっ霞様の」
「ほう、そなたは我が母を知って居ったか。ならば話は早い。しかと申し渡したぞ」
「「「はい」」」
「勘助、用件は」
「はっ」
「そこの二人を此方へ」
吉政は二人を順に椅子に座らせると、アイテムボックスから指輪を取り出し右手に着けた。
上手くできるかな?いや、こっちでも使えるのだろうか?
「我、藤次郎が命ずるLời nguyền thiếu thốn 」
手から暖かな光が出て、二人を包み数十秒後消えた。
吉政は調査をして、呪詛が消えた事を確認した。
「これで呪詛は消えた」
そして再び
「我藤次郎が命ずるSiêu phục hồi 」
再び暖かな光が二人を包めこむと、ゆっくりと痣や傷が消えていく。みんなが驚きながら眺めている。
吉政は元店主に千両渡し、
「よし、終わった。ヘレーネ・ティラーとカール・ティラー・・・」
二人は名を名乗ってないのに呼ばれた事に驚いたが、
さらに吉政の言葉に驚いた。
「違うな、鈴さんと長秀殿も着いてきて」
長秀は呪いも解け、目の前にいる少年を見て、前世の記憶が戻ってきた。
次回 「控えろ」お楽しみに