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お待ち下さい

第24話 「お待ち下さい」 始まります。

 さて二人で幾らなのだろうか?


「大将、幾らだ」

「そうですね。五十両の所三十両にしましょう」

「そうか、ちと待っておれ」


 吉政はにたりと笑うと、


「ちょっとそこの方」

「何か」


 吉信は後ろの老人に声かけ、貌を其処の男女二人に目をやると、彼は即座に亭主のほうへ赴くと、店主を捕縛した。


「いきなり何をするんですか?」

「私はカサエル家、家老、大林勘助です。奴隷法違反で現行犯ですぞ」


 老人が店主を押さえつけながら説明すると、彼は訴える。


「お待ち下さい。私は、彼が売ってくれと頼むから売っただけです」

「その事ではないですぞ」

「???」


 それ以外では覚えのない亭主は首を傾げる。


「では聴く。何故、彼や彼女は檻に入れられている?何故、傷や痣がある?呪いが掛けられている」

「此処に来た時から痣や傷もあります。呪いも掛かってました」

「では、何故、領主報告しなかった」


 亭主は言葉を詰まらせた。


「まぁ、勘助殿待て」

「はっ」


 吉信は勘助を制すると、わざと聞いた。


「罪状は解った。刑はどうなる?」

「この場合ですと私財は没収の上、斬首、三親等内の者は国内追放になりますかね」

「待って下さい。何卒お許し下さい」


 実際はどうなのかと言うと、私財は没収で斬首だけである。

 亭主が縋っていると、後ろから先ぼどの女性奴隷が訴えてきた。


「お待ち下さい。報告を怠った事は、私達の為でもあるのです。そこの二人の呪いの事は、私達も知っております。取り除く事が出来ないのです。店主は色々試していますが、どうする事も出来ず檻で隔離して治す方法を考えておられます。何卒御慈悲をお願いします」


 わしは彼女の顔を見た。彼女の言葉は嬉しかった。そして領主の家老である大林殿の顔色見たが、彼は後ろの少年の方を見ている。


次回 「しかと申し渡した」 お楽しみに。


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