希望はあるか
第15話「希望はあるか」始まります。
翌日、余は正妻予定である由紀の実家に来ていた。目の前には熱血体育教師みたいな男性が居る。彼はマイティ・カサエルと言う。
「よく来たな吉政殿、実はな、春から当主として、
一部の地区を任せたいと思うのだが、何処がいい。
希望があるか?屋敷として欲しい場所があるか?
まぁ、わしからの入学祝いと婚約祝いじゃ」
「しかし何故です?まだ十五歳ですよ。大公爵様「御義父さんだ」御義父さん、百歩譲って家はいいとして、領地など貰える功績ありませんが?」
「もし儂の身に何かあれば、儂の後任せられるようになっ欲しい。
それにもし王に何かあれば、儂が後を継ぐ事になるそうなると、此処を娘の夫となるそなたに任せたいからだ。
納得できたら受けてくれないか?
それに吉政殿なら1年後には我の横に立てるであろう。受けて貰えるな」
義御父さんは、何を心配しているのだろうか?
「解りました。そうですね、
猪瀬川の対岸にある丘陵地帯に屋敷があって、領地はその付近が良いですね」
「理由を聞いて言いかね」
「学校が近い」
「それだけか?違うだろ」
「そうですね。丘陵地の東は崖で川さらに池、北は王都からの運搬が可能で見張りがし易い川が、西と南に堀を作れば攻められ難くなる。さらに南には大瀬川が流れていて街としても発展しやすい地形で良いですね」
「やはりそう見ましたか、流石です感服しました。関白殿下」
そう言って、机に両手をついて頭を机にと思うほどあたる下げた。
何故関白だった事知ってるんだ。
「えっカサエル大公爵様「義御父さん」義御父さんはいったい」
「儂は前世で其方の父上に仕えていた北畠具教と言う。楽しかったぁ。霞様から其方の名を聞いた時嬉しかった。やっと御会いできると心底震え上がった。
其方が父の後継いだ時、儂は病床じゃった。ここで会えるのは殿下の力になってやれと言う事かもしれん」
確かに父に聴いた事がある。剣豪で文芸であったと。
「義父上、これからもよろしくお願いします」
「うむ、四月より子爵の地位を与え、草香地区二十万石を与える」
「はっ、ありがたき幸せ」
民の為にする事で余に帰ってくる。と父は言っていたなぁ。うん何か楽しくなりそうだ。
次回「さて、どうしょうか?」