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先生こっちでーーす

見きり発車です。ご面倒おかけ致しまする。では秋桜畑の誓いをお楽しみ下さい。

 雪がちらつく学校の広場で二人の少女は魔法の練習をしていた。

この学校は武や運動系を重視する小中高大とある学校で近衛団への登竜門として名を全国的に広めている。


「由紀、どうしょう。男の子召還したみたい」

「えーー何やってんのよぉ」


 慌てる少女に由紀は声掛けた。

豪華な着物着た男の子は目の前で倒れている。

 その彼を背にして、少女は由紀の手を握り上下に揺さぶっていた。


「少し落ち着こうね。で、どうしたら男の子が召還されるわけ、ありえないでしょ」


 落ち着きを取り戻した少女は、ゆっくりと語り出す。


「私、もっと強くなりたくて、私と相性が良くて、先生になれる人」

「はぁー」


 由紀はその少女、弥生を見て溜息をついた。


「とりあえず保健室連れて行こ、大人の人呼んで来て!」


 由紀は校舎へ向けて駆けて行った弥生を見て、

振り向き彼を見て呟いた。


「人物調査」


 弥生は強くなりたくて教師になれる人って言っていたが、

どう見てもどっかのボンボン貴族に見える彼が、

私達を教えるなんて不可能に近い。

 されど、もしもの事もある。

それにもしかしたら彼の家族が心配している事だろう。

気になる事が多すぎる。

 そこで、私は私の持っているスキルで、

彼が何者なのか調べる事とにした。


「えーー何是」


 私の脳がはてなマークでいっばいになる。今までそんな事はなかった。

どんな人でもその人の様々な事が解った。

名前はもちろん歳、住所、履歴、能力、身体測定、得意な事など、

自分と同じように様々の事まで解ってしまう。

 それが私のスキルの一つ【人物調査】。

 しかし、解ったのは名前が木下藤治郎吉政って事と、

健康状態身体状態の異常がないって事、

つまり怪我もなく健康そのものであるって事、

他はすべて調査不能になっている点である。

あり得ないのは不明でなく不能、

つまり調べても教えてもらえない事だ。

 そういえば一人だけ居たなぁその方の顔を思い出していた。

弥生の母、霞さんもそうだった。

 今では名前と歳、住所と身体測定だけは表示される。

後その他は話してくれた事のみ表示されていて、

後は彼と同じ調査不能に

 霞さんに聴いた事があった。

霞さんは母の弟の嫁で今では亡き母の代わりとして、

父に相談できない事も相談して霞とは従姉妹と言うより姉妹のように育った。

そんな時に私のスキルで楓さんを調べる事が出来ないのは何故かと、

 楓さんが言うには、私の父が領主をしているから周りの人の事が手にとって解るらしい。

このスキルは自分の環境や政治力や知力と、相手の環境と知力で見える範囲が決まるらしい。霞さん曰く「私の場合は義父の影響が強いのかも」って笑ってた事を思い出した。


「先生こっちでーーす」


 弥生が戻って来たようだ。保険の先生がきて、彼の様子を見て驚愕していた。

 私の方を向いたその目は、貴方調べてみてと言っているようだったので、私は横に数回首を振った。

 実は先生も私と同じスキルを持っていたのであるが、

私と同じ結果にしかならなかったのだろうと推測する。


「先生」

「由紀さん、どうしたの」


 先生が毛布を持っていたので、振り向いたのを確認して、私は提案した。


「もし、健康であるなら召喚した弥生に預かってもらったらどうでしょうか」

「そうねぇ」


 私はこの得体のしれない男の子が気にはなつたが、領主の娘である以上、私が預かる訳にもいかなかった。

そこで叔母なら真相がわかるかもしれないと思い。

召喚した雫に押し付けようと提案した。

 先生はしばらく考えた後、


「そうね、弥生さん召喚したあなたが責任持ちなさい。おうちの方には話しておきますから」


 弥生は驚いていたが観念したか、


「はーーい」


 と、渋々返事したしたので数人の先生と弥生の家にお邪魔することになった。

次回「ごめんなさい」も よろしゅうたのんます。  

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