不思議な世界
第19話 「不思議な世界」始まります。
この世界に来てから一ヶ月、そんなこんなで午前は学習、昼からレベル上げで又はその逆、自己啓発に力を入れてきた。
人間一生勉強である。向上心無くて進展はない。其れを信じてこつこつ、やっているのだけど一向に上がらないレベル2である。何が行けないのだろうか?
由紀は順調に十アップの二十八だ。弥生は手を抜いていたのをやめたことによって、二十アップの三十三だ。吉彦は八アップの二十一だ。基準は? 解んない事は多いな。
それにしても、この世
界は色々な時代が混在している不思議な世界だ。
夕方夕飯を作っている娘に聴いてみた。
「なぁ、この世界は何なんだ。時代は錯誤しているし、訳解らんけど何か知っているか?」
「確かに不思議な世界ですね。発展している事、してない事色々ある。魔法が普通に使える事も不思議でもあるよね。でもさ一つ言える事はあるわよ」
「それは」
「それは皆一度死んでいるって事かな」
「其れしか思いつかないよね」
「前世記憶があるなし関係なく、転移してきた人つまり私かな、召喚された人」
「余だね」
「そう、後は転生ねこれは父上もあった事のある家政婦の雅さんが該当するわね」
確かにそうであったな。
「霞ありがと」
そんなもんだろうな。まぁ深く考えても仕方ないか。
いずれ解るときも来る。夕餉にして勉強して寝るか。
そして、毎日訓練に勉強に励んで、いよいよ試験当日になった。
「余は先に行く」
そして会場に着くと、一人の少女がキョロキョロとしていた。
「どうしましたか」
「えーーと、目的地が分かんなくて」
「何番ですか?」
「二百十五番何ですけど」
カードを見ながら答える少女。
同じ教室だったこともあって彼女を伴って試験会場に入った。
木造校舎の趣のある学校に感服しながら、試験を受けるのであった。
「お帰りなさい父上、どうでしたか」
帰ってきて、霞の言葉に吉政は、
「わかんねぇ」
まぁ正直五分五分だ。情けないが運に任せるしかない。
運だけ見ると良い方だと思う。其れは自己能力にも現れている。
あれから二週間過ぎ三月になった。
桜の花が蕾を膨らませながら、今か今かと待っていた。
「よっしゃーーーーー」
ついに合格通知が届いたのであった。
「藤ちゃん、静かにしてよ」
子守の仕事している由紀に怒られ俯いていると、
「じっちゃんどうしたの?何かあったぁ」
「合格した」
「えっほんと、なら焼きパーティだね」
どうやらこの地域では祝い事は焼きパーティーになっているようだ。
こっちに来て、三ヶ月何かある度に焼きパーティーだ。
交流目的らしいが多すぎる気がする。
次回 「希望はあるか」お楽しみに