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東国遠征?④

遅くなりました 長いですが、

第143話 「東国遠征? ④」始まります m(_ _)m

ホーク山の麓で休息をとっていた霞達は相変わらず物見雄山を楽しんでいた。

 そんな時に一人の兵が駆けこんできた。


「失礼します。報告したき儀があります。宜しいでしょうか」

「どうぞ」


 霞の代わりにウォールが答える。

 兵は片膝を付くと、


「申し上げます。前方進軍先の方で多数の旗が揺れています。

詳細は解りませんがご報告にあがりました」

「どのような旗か解りますか」


 ウォールが率直な疑問を投げかけると、


「はっ、濃い青色の旗かと」

「およその数は解りますか」

「まだはっきりと解りません」


 少し考えて、霞の顔を見る。霞は頷き返す。


「見える所に案内しなさい」


 

 兵は霞達を引き連れ、管理社果樹園の管理棟へ向かった。


「此処ならどうでしょう」


 恐れながらウォールに尋ねる。


「良いでしょう」


 彼女の答えに安堵した兵は尻餅をついた状態になった。

霞は遠眼鏡を取り出すと目的の方を眺めると確かに無数の旗が雪崩れ込んできている。霞は遠眼鏡をウォールに渡す。


「どうやら敵将。その名も相馬氏かと思われます」

「馬印から相違ないかと」


 遠眼鏡から映し出された物は火炎車の馬印であった。


「先頭を走る者達が、後方に射撃している模様。如何なされますか」

「我が地に敵兵入り込んでいる。先陣を助け相馬を叩く。兵を此処へまとめよ」


 四半刻後、


「霞様、総勢三十五万揃いまして御座います」

「あい解った」


 霞は全兵の一番下の所に台を置かせると、拡声魔法を使い話し出した。


「皆の者、前方を視よ。多数の旗が見えるか。 大帝国を荒そうとしている者の旗じゃ。それらを叩き伏せ追われている者を助け出すのじゃ。敵数二万」

「お待ち下さい。その役目ボースキー家にお任せください。我らが必ず敵に後悔させ救い出して見せます」

「その言葉嬉しく思うぞ。ならばわらわに協力せよ」

「はっ」

「ならば陣立てを申し付ける」

 そして霞は鶴翼の変形陣を展開させ、鉄砲隊は火を着けさせ一部の者は構えさせもした。馬隊は騎乗させて、全員を繋げさせた。


「出陣じゃ」


 法螺貝を鳴らさせると、霞の移転魔法で移転すると保護者一〇〇〇人を囲み、鉄砲隊に命じた。


「放てぇ」


 五百の砲身から火が噴いた。


「放てぇ」


 今度は別の場所から火が噴いた。そして数十秒後にはさらに別の場所から、それぞれ三回鳴った後、


「かかれー」


 騎馬隊が鉄砲隊を追い越し、駆け出して行くと、槍隊さらに剣・刀隊が追いかけて行く。

 そして一刻後には敵は見当たらなかった。


「皆の者、勝鬨を上げよ」


 戦場にはあちこちで勝鬨の声がした。


「もう大丈夫じゃ安心せよ。わらわは秋津大帝国の国主である木下藤治郎吉政が母で霞と申す。其方らは何処の者じゃ追われていたようじゃが」


 優しく話す言葉に安堵したのか、侍女らしき女性がゆっくり話し出した。

 霞の言葉に侍女を押し退け前に出来た少年は膝を屈した。


「お初にお目に掛けます霞様。わたくし世良田次郎三郎清康が末子、三郎元信と申します。不躾の話ではありますが、」


 元信が言葉に詰まり黙り込んだ。霞は黙って話を待っていると意を決したのか彼は話し出した。


「私共を末席にお加え下さい」


暫く考えると、霞は冷たくあしらった。


「元信君、いいかな。私達は今貴方のお父さんと戦してるの解って言っている」


 その言葉に驚き、


「いや、秋津大帝国とは戦ってない。父上は魔王国が攻め込んで其処と戦っている他に戦はしてない。」


 元信はそう知らされ信じ切っている。


「それはウチも聴いてるよ。しかしねウチらの頼みを跳ね除けて、喧嘩売ってきたのは貴方のお父さんよ。その為にウチらは此処に居るの。貴方の国を討伐するために、それでも加わりたいの」


 元信は絶句し顔を下に俯いた。


「お待ち下さい。口を挟む事お許し下さい」


 元信と会話をしていた霞の前に、恰幅の良い男が現れ彼の隣で御辞儀したのを見て彼女は、ウォールに視線を送った。


「して、そなたは何者だ。見慣れぬ服を着ているようだが」


 彼は濃い草色をした執事服を着ていた。当然霞だけは知ってはいたが、周りの者から見ても異質であり、その者達から見れば初めて見る服であった。

 許可を貰えた彼は、片膝を付き右腕をお腹のあたりで真横に伸ばした。


「お初にお目に掛かります。わたくし世良田家筆頭家老のオリヴァー・トーマスと申します」


 霞はその姿と姿勢に対して、


 あぁー其処は執事でないんだぁ。能力高いのになぁ。もったいないなぁ。


 「どういう事かしら」


 霞は尋ねる。


「先代は何時も言っておられました。「良いか今は無き帝国を支えている氏豊に負けては居られん。復活した時に一番の褒美を貰うのは我が家だ。その為にも東国は我らの手で収めて於かなければならぬ」とそんな事言い広めている先代が、帝国に刃向かう訳は有りません。謀反した者の手かと思われまする。行き違いになった事、筆頭家老としてお詫び申し上げます」

「少しは解った」

「有り難き幸せ」

「但し、今は拘束させて貰うわよ。」

「喜んで何処成りと付いていきます」


 拘束を約束させると、元信が微笑みながら返事を返した。


 この子ホント解っているのかしら。まぁいいわ後は父ちゃんに任せましょ。

 霞は此処にいる全兵と元信一味を全兵力が集うホーク山の麓にある本陣に向かった。


『父ちゃん、緊急連絡今ホーク山の麓にいるのだけど、アルマー王国の国主世良田次郎三郎清康が子、三郎元信とその一味を捕獲しました。私が視た所なかなか面白い物が見えて、今後の事を踏まえて話もしたくて一度幹部を此処に集める事出来ないかしら』


 面白い事、何か解らんがまずは第一段階の救出は可能になったし、


『今すぐというのは無理だよ明後日の昼でいい?』

『いいわ』

『兵は二百で梨岡城に入城して待っていて』

『解ったわ』


 目を瞑り表情だけコロコロ変え微動だにしなかった霞が、目を開き見渡した。


「今から大殿の言葉を伝える我々は兵二百で梨岡城に入城する。よってヘンリー隊から二万、本隊から三万城下町で待機天野経政を大将とする、ボースキーは残りをここで待機以上だ」


 承諾の返事が色々な言葉で返ってくる。





次回「東国遠征?⑤」お楽しみに m(_ _)m

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