東国遠征③
第142話 「東国遠征? ③」始まります m(_ _)m
「申し上げます。沖に大きな船が停泊していると、門兵から連絡が来ております。今は停まっているだけなのですが、民が動揺しているの事、如何なさいますか」
今は何もしてこない船より奴らの方がやっかいだ。・・・
「敵はどうしている」
「今は我が街事包囲しております。後続を待っているのでは無いかと」
船か敵か味方か・・・
「おい、付いてこい」
「はっ」
現城主は、報告をしに来た中年男性を引き連れて、最上階に登ると海のある方を眺めた。彼は船を見て固まった。
離れているにも拘らず目立つ大きさに。
暫く彼は眺めていた。
確かに船がある。陸地より五キロって所か。
何処の船だ・・・
「誰かいるか」
「はっ」
小姓が一人登ってきた来た。
片膝を付く彼に、
「遠眼鏡を持ってこい」
「今すぐに」
言葉を残すと降りて行った。暫くすると戻って来た彼は素早く手渡すと、それに目を当て覗き込んだ。
眺めていると、船はゆっくりと船首を此方へ向かって来る。段々大きくなり船板に多数の兵が確認できた。
そこに一振りの軍旗が掲げられた。それには黄金の刺繍で丸に桐紋が描かれていた。
彼は聞いた事があった。厭見たことがあった。その家紋の事を、そして現在使用している者を商人から話を聞いていた。
上陸するのか。拙い、そんなことになれば・・・
そう判断したブローム・テンプル・カムクヮトは、ジュンボルト・アボタントと相談し、兵長以上をを二ノ丸に集める。船はその間に沖合いに停泊した。
「今、南西の沖合に敵船が停泊している。家紋から察するに、我が国の西に位置する秋津大帝国と思われる。
よって四方を囲まれた訳だが、今後の行動として三つの案がある。
一つ、此処まま籠城し援軍を待つ。
一つ、西の敵に中央突破でセントラルへ戻る。
一つ、降伏する。
この三つが、主に考えられる案である。まずは、諸侯の考えを聞きたい」
兵糧も後数日、兵は三十万いる諸侯の気持ち次第。
カムクヮトは全軍による中央突破を考えているが、町民達の事を考えるとハイそうですかとは、やる気が損なう。しかし皆が賛成すれば、良い案も出るだろう。
そこへ、一通の手紙が届けられた。彼は、一読みするとアボタントへ渡し、それを見た彼に頷き返した。
「皆の者よく聞けい。只今から儂かカムクヮトの許可の有るまで城外に出る事は禁ずる。町民にも伝えよ。では持ち場に戻れ」
諸侯達は順に移動を開始した。そしてこの場には二名と数人の護衛が残った。
「カムクヮト殿、儂は真思うがどう思われる」
「私も同じです。そろそろ西側に軍勢が見える頃かと」
「そなた、西に軍が見えぬか部屋を出て確認して参れ」
其れを聴いた護衛の一人が、部屋を出るとすぐ戻ってきた。
「殿、西の山頂から此方に小野田木瓜旗が増えてきてます」
其れを聴いたカムクヮトは、微笑みながら、
「そろそろ始まりますな」
「そうですな西の門まで行きますか」
二人は護衛をつれ降り掛けた時、突然船から轟音が鳴り
城の西側で爆音が鳴り響いた。そして鳴り止み二刻後、城門で声がした。
「かいもーーん、かいもーん」
門兵は二将に角煮を取ると、ゆっくりと門を開けた。其処には懐かしい顔が揃っていた。
次回「」東国遠征 ④」 お楽しみに m(_ _)m