進軍 ⑪
第134話 「進軍⑪」始まります m(__)m
霞は千伽の手首を離すと、手首の圧迫を感じなくなった千伽は俺の前に移動すると片膝を付き、頭を下げた。
「おと、陛下お呼びでしょうか」
「千伽」
「はい」
可愛い瞳を向けながら、返事をする。
「堅苦しい呼び方は止めろ」
俺は千伽に言葉を換えるように言うと、
「そうですよ。歳は近いが私達の娘なんですから」
「皆家族ですから」
由紀と弥生が賛同する。
「まぁ、ややこしいけどね」
「そうね」
ミツエと霞が言う。
「それでだ」
俺は、話を本題に戻す。千伽はそのままの姿勢で黙って聞いている。
「千伽、前世の今川家事だけど、義元と氏豊そして寿桂尼の事どのように伝わっている」
千伽は崩し正座をすると、
「そうね、寿桂尼は氏親に嫁ぎ五人の子を産んで、夫の亡くなった後十四歳の氏輝を補佐して国務を行って、二年後からも陰ながら補佐していたみたいね。
そして氏輝を亡くすと、次男の玄広恵探の対抗馬として五男の義元を押したみたいね。義元の代になっても続けていたみたいね 」
「氏豊は氏親によって尾張今川家の養子になって、信秀の奇襲で尾張を追われ京に行っているみたいね。その後義元の庇護下に居たみたい」
千伽は淡々と話すと一息ついた。
「でね義元はね、氏親の三男として生まれ、氏輝死後還俗してるね。そして花倉の乱で勝利して、妻に定恵院を迎え、一五五八年氏真に家督を譲った事になっているね。桶狭間で亡くなっているね」
藤治郎は自分の知っている事と照らし合わせながら聞いていた。
「うーーん変わりないか。皆ありがとう。皆の所に戻ろう明日からの事、話したいから」
ゆっくりと立ち上がる事に、
「じっちゃん大丈夫」
弥生が心配そうにのぞき込む。色々話して俺の心の靄が飛んだみたいだ。
俺はにっこり微笑むと、元気に返事する。
「さぁ、行こう」
前を向き、部屋にいる者を引き連れて後にした。
次回 「進軍⑫」お楽しみに m(__)m