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何故動かぬ

第13話 「何故動かぬ」始まります。

アルマー王国はマザーレイク魔王国の東側に位置して巨大な領土があり、城のあるエヤドルには五十万の人々が暮らしている。



「それでじゃ勇者共は何をしておる」

「なにやら議決を採っているとか?」

「何故じゃ何故動かぬのじゃ、これでは召喚した意味がないではないか」


 そう、此処アルマー王国では、二週間前異世界から四十八人一斉召喚に成功させていた。

 しかし異世界でも全員が同じ場所同じ時代から来ていなかった。数グループにも別けられる。彼らに言わせれば、だからこそ必要不可欠なのだが、生憎ブライアン・アルマーはアルマー家当主にして、絶対的な権力者であり、彼らの政は論議など必要なかったのである。

先代が果たせなかった魔王国撲滅を果たすべく動き出したのであったが、その為には勇者は不可欠でもあった。そして命じた。


「三日後出立させよ。しないようなら処罰する。しっかり伝えろ」


 側人は、大慌てで部屋を出て行った。








「上様、阿部野辰美様がお越しです」

「通せ」


 入ってきたのは年端もいかぬ美少女。彼女は入るなりソファーに座ると、頭を下げつつ言葉を発した。


「ご機嫌麗しく」

「よい、用件をもうせ」



「実は先程二枚目の易が出まして」


 辰美は卓上に二枚の紙を載せ呼んで見せた。


「紅集う 、生ける魔神に、白くなり、紅染なりて、漆黒の艶」 

「竹王が、沈み暗闇、割れる天、他神降臨、新芽成樹」


 これを聴いた氏豊は真っ青になっていった。


「上様大事無いですか?薬師呼びますか?」


 心配そうに覗き込む辰美に、


「大事無い」


 背凭れに凭れ掛かると天を仰いだ。

 

 先代に見出されて、そろそろ次世代に継がせる時が来たのか・・・、

でも誰がよい? 誰でも良い訳無い。折角此処まで復興させたのに。

 天を仰ぐ氏豊の頬に一筋の雫が流れた。


 そして彼は大きな決断をする。時期当主を決める為重鎮達を呼び出す事にした。



 由紀を連れ出した吉政は、隣に隣接する図書館に来ていた。


「由紀さんは此処を利用した事あるのか?」

「あるわよ」

「じゃこの街の歴史から調べたい」


 その言葉を聴いた由紀は、吉政の手を牽いて、それらが置かれている棚へと移動した。吉政は二冊の本を手に取ると、テーブルにセットされているパイプ椅子に腰掛け読み出した。由紀は何もする事無いので彼の横顔を眺めている。

 読み終えると、次の二冊と取り替えて席に戻り、又読み出す。

それを五回繰り返した。太陽が真上に差し掛かり切りの良い所で家に帰ると霞は昼食を用意して待っていた。

 食べ終えると、彼は由紀を手に牽いて、寝室に行き寝間着に着替えると二人で布団の中へ入り込み寝るのであった。

 来て二日目である吉政が起きたのは夕暮れであった。


「藤治郎さんお目覚めですか」


 藤治郎の横に居たのは青いワンピースを脱いで下着姿の由紀さんでした。

次回「 すまん 」お楽しみに

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