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進軍 ③

第126話 「進軍③」始まります m(_ _)m


 二ノ丸にて、くつろいでいると、ビンチェレがオルチレアーの首根っこを掴み引きずりながら入室し藤治郎の前に転がした。

「ビンチェレ、これは何事かな?」


 藤治郎は、微笑みながらビンチェレを睨み付ける。


「申し訳有りません陛下、此度我が弟オルチレァーが陛下一同暗殺を計画をしておりました。故拘束し連れて参いりました。何卒我らを罰して頂くようお願いします」


 藤治郎は暫くオルチレァーを睨め付け、


「ビンチェレ、オルチの縄を外し座らせよ。話ができん」


 ビンチェレは驚愕しながらオルチの縄を切った。


「オルチ、どのようにするつもりだったのかな?我は総易々と倒せんぞ」


 オルチレァーは頑なに拒否する姿勢を取っていると、


「覚悟を決めて話せ」


言い終わると同時に目の前に藤治郎が現れた。三尺離れて座っていた藤治郎がオルチレアの目に写ったのは目だけのドアップだ。驚いて後ろ手を付くと


「藤治郎」

「藤ちゃん」


 大声に気付きビンチェレらは振り返り声の主らを見ると、

一人は五尺、もう一人は七尺は離れていた。


「近付きすぎです」

「そうだよ」


 言い終わると彼女らは藤治郎の隣にいた。

 ビンチェレらは驚きすぎて、声すら出せず藤治郎達を見ていた。

 暫くすると目の前にいた藤治郎達は、藤治郎は元の席に戻り

彼女達は藤治郎と奥方の隣に座っていた。


「で、言うが良い」


 笑顔で問う藤治郎の方を見た学友達は、無意識ながら固まっていた。藤治郎より両サイドに座った弥生とミツエの殺気だ。

末席にいる感度の低い学友達にも認識出る程。感度の良い将達も己に飛び火しないよう、俯いたりビンチェレの方を向いたり工夫していた。


「「申し訳有りません」」


 再度平伏する彼らに藤治郎は、


「余は謝れとは言うては居らぬ。ビンチェが収めのだろうならば罪に問う事は出来ぬ、ボースよ他の者が気付かぬ事をそなたの兄は見事に収めたのじゃ。

 再度言う、どのようにする積もりじゃ申せ」


 覚悟を決めたオルチレァーは、そのままの姿勢でゆっくりと話し出した。


「まずは宴会で酒を振る舞い、気を緩ませて四方より乱入し討ち取るつもりでした」

「討ち取るたらどうする積もりじゃ」

「此処の兵力を持って繖城を押さえ周辺を順次取り込む予定でした」

「それで」

「魔王様側近のブロームテンプル・カムクヮト様ジュンボルト・アボタント様に認めて貰い少しでも兄が出生出来たらと」

「認めて貰えぬ時は?」

「兄を頂点に国を興す。さすれば民はもっと豊かになる。幸せになれると」

「なるほどオルチの思いは解った」


 藤治郎は暫し考えた後、


「まず、そのことだが、初めから失敗だな。ロバート何故だか解るか」


 オルチレァー・ボースキーの後方にいた学友に問いかけた。


「はっ、申し上げます」

「うむ」


 藤治郎が頷く事を確認したロバートは、


「まず我らの事知らぬと言う事です。見ての通り此処にいる殆どの者が未成年であり、法も唄っている通り飲酒はあり得ません」

「それだけか」

「いいえ、戦力分析であり、そして倒せたとしても籠城しかなく滅亡は必定。それらがうまくいったとして、噂に聞く第六殿が放置する訳ありません」

「うむ、ロバート見事である。オルチ理解出来たか」


 乗り出すように藤治郎はオルチレァーに言った。


「はっ」

「しかし、良い所もあった。そこでじゃビンチェにきぬがさ)城功城の先陣を申し付ける」

「はっ、必ずや落としてごらんに見せます」


 再度平伏するボースキー兄弟のビンチェレが代表として答えた。

次回 「進軍④」お楽しみに m(_ _)m

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