魔王軍を叩け④
第118話 「魔王軍を叩け④」始まります。
「前方、室都方面にて山火事発生した模様」
本隊一陣からの伝令が報告する。
「見えとる。して詳細を述べよ」
それだけの言葉しか言われていない伝令役は、首を傾げて答えた。
「それがしは解りません」
「戻って、詳細聴いてこい」
総大将の頭成茶々政教は伝令にいらつき追い返した。
「今度こそ奴に勝つ為、情報が要るのに役立たずめ」
「大将、落ち着こうぜ、時期に良い情報寄越すだろう。」
悪山次郎政秋は政教に諭すよう言い。
右田隆房は同意しつつ、
「家宝は寝て待てと言うしな」
政教は同僚の言葉で少し落ち着いてきた所、服は焦げ煤だらけの伝令が飛び込んできた。
「前方の火柱に前衛二十万が閉じこめられ苦戦中、火柱の奥にカサエル家の旗敵の魔法士の仕業なり、顔を知り知り者によると、小山家のミツエなる者と判明」
「今なんと言った」
政秋は立ち上がり伝令を睨め付けた。伝令は脅えながら言った。
「前方の火柱に前衛二十万が閉じこめられ苦戦中、火柱の奥にカサエル家の旗あり、敵の魔法士の仕業なり、顔を知り知り者によると、小山家のミツエなる者と判明、さらに敵に攻撃届きません。すべて敵に届くまでに消失」
隆房は悟った。
「政教、時期が悪かったみたいだ。敵の陣にカサエルの盾もいる。もしかしたら矛や剣も居るやもしれん。此処は撤退だ」
「隆房、怖じ気付いたか、我らが後詰めすれば古都も落とせるはずだろ。ここは進むべきだ。全軍進めさせよ」
政教は強引に進めさせようとした。頑固な政教が決断したら
ここには止める者がいなかった。
次回 「魔王軍を叩け⑤」お楽しみに m(_ _)m