内戦から?戦争へ⑧
第110話 「内戦から?戦争へ⑧」始まります。
模擬戦二日目が始まろうとしていた。
そして、その総大将はマイティ・カサエル大公爵。この世界での藤治郎の伯父で有り妻由紀の父である。彼は、正規軍を三つに分け、先陣右翼の大将にユリ・オータムそして先陣左翼をミツエ・オーマ・エスピノに任命した。
本日の敵総大将は、忠俊・ドン・ジュアンである。彼は本陣を最後方中央に置き。魔物達を半分ずつに分け、各翼の陣を牽いた。
そして小丘の上に建っている城内には、前回同様模擬戦に参加しない者達が居り、将達は天守最上階より眺めていた。
法螺貝が鳴り戦闘開始に、ミツエが敵陣にスキル炎雨を降らせ、敵陣を攪乱させると、ユリがストームで小物を吹き飛ばしていた。
「凄い」
ロバートは感嘆していると、
「心配はないが拙いな」
「そうですな」
藤治郎の問いに筆頭家老のカールは答えた。
何が良くないのだろう。今は押し捲くって要るのに。
ロバートは思いながら見ていると、小物が逝く事によって混み具合が無くなりボス達が無双しだした。
本陣より二人の女性が駆けだし、前線先頭を越え最先端に出ると、二人は刀で空を切るようにすると、その前方の敵が倒れていき二筋の道が出来上がると、二手に分かれ進んでいき、魔物のボスを狩っていく。
二人を追うように前線の二隊は獲物を狩っていく。魔物達は本陣に到着できず押されていた。
一刻後には、魔物は全滅していた。
ありゃやばい。
ロバートは此処に刻み込むと、気持ちを切り替えたのか、真剣に自分に取り入れる事はないか検討していた。
「どうだ真似出来そうか」
藤治郎は問いかけて微笑む。
「いえ、難しいな」
ロバートは首を振りながら答えた。
「ロバートなら出来るさ。諦めるな」
藤治郎の言葉を胸に刻み、此方に凱旋しつつあるカサエル隊を眺めていた。
今年最後の投稿になります。一年間ありがとうございました。
良いお年をお迎えください。来年もよろしくお願いします。
次回 「内戦から?戦争へ⑨」 お楽しみに m(__)m