ん、いいのか?
少し遅くなりました。第11話「ん、いいのか?」始まります。
「霞、何て言った」
「父上は私の子になったの、つまり、弥生の弟ね」
「はぁ何言ってんだ」
「聴いた通りよ、だってこの身長でしょ、父上だって言っても誰も信じないわよ。それよか私の子って言った方が、みんな納得するわよ。
身長がねぇ~百二十じゃねぇ」
「・・・」
確かに戸籍を作る事は、此処で生きていく以上で仕方ないことかもしれない。
しかし、娘である霞の子になるとは、それに身長の事言われると反論できん。
何か反論することがないかと模索していると、霞がとんでもないこと言いだした。
「でね由紀さん父上の元に嫁ぎなさい」
「えーー、もしかして・・・」
由紀は霞の申し出に赤く俯いていた。
その様子を見て霞は、
「では決定ね」
「霞、勝手に何進めているんだよ」
「んーー自業自得、朝からやっちゃったもんね。
義兄さんに婚約の件は、昨夜承諾いただいております。
父上も腹括りなさい。
弥生さんそんな訳だからと言っても、まだ学生であるから、
婚約って形になります。
そして、我が子の藤治郎をよろしくお願いします」
「解りました。しかしこれは当事者同士の」
「霞さん、今後どのように呼んだらよろしいのでしょうか?」
やはり・・・なんかおかしい?
「ん、いいのか?」
余は由紀さんに確認した。
「それ、ここでは無意味」
いつの間にか少し離れて座っていた弥生が答えた。
「そうなのか?」
「うん。子の結婚は親同士で決める。これ歳関係ない。
正妻さえ決まれば重婚可能」
改めて違う世界にいる事を思い知った吉政は、
「霞、いいか」
霞を見詰めながら話を続けた。
「余は此処に来て間がない。何も知らない。
よって書物を読みたい。良い所知らぬか」
霞は頷くと、立ち上がり、窓のカーテンを開けた。
「目の前にある壁の向こうにある建物あれがそうよ」
窓の向こうには白壁の三階建ての建物が見えた。
「隣かい」
思わず呟いた。
「暫くそこに通う」
「わかったわ、あそこに通用口が有るから」
霞が窓の外に指を指す。
見れば壁の下に扉があった。驚いて霞を見れば、
「この図書館、私のよ、次期館長よろしくね」
えっ今サラッと言ってなかったか?いずれ忘れるだろう。
ここはスルーだ。
「早速行ってくる。由紀さんも来るか?」
「はい」
余が掌を上にして差し出すと、顔を俯き加減に四本の指をちょこんと乗せた由紀さん、やっぱ若いって良いよね。
その指を掴むと彼女を引っ張り上げて、
「霞行って来る」
その手を掴んだまま部屋を出た。
次回「復活」 次回投稿日不明